2013 Fiscal Year Research-status Report
成人スチル病の病態発現におけるToll様受容体の研究
Project/Area Number |
25860811
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
末松 梨絵 佐賀大学, 医学部, 助教 (80632322)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 成人スチル病 / Tall様受容体 / マクロファージ活性化症候群 |
Research Abstract |
[目的] Toll様受容体(TRLTLR)は病原微生物由来の成分が結合するとシグナル伝達系を活性化し炎症反応を惹起するレセプターである。近年マウスにおいてTLR9のリガンドを繰り返し投与することで成人スチル病(AOSD)の重要な合併症であるマクロファージ活性化症候群と同様の病態が出現したとの報告がなされた。今回我々はAOSD患者血清におけるでの可溶性TLRの発現を測定し、TLRの活性化その役割について検討した。 [方法] 活動期AOSD患者10例と健常コントロール10例において血清中の可溶性TLR(TLR-2, -3, -4, -5, -7, -9)を測定し比較を行った。またAOSD群の疾患活動性とsTLRとの相関関係を検討した。 [結果] AOSD患者では健常コントロールと比べてTLR2, TLR5, TLR9の有意な上昇を認めた。一方RNAレセプターであるTLR3やTLR7の上昇は認められなかった。TLR2とフェリチンおよびLDH、またTLR5とフェリチン、LDH、可溶性IL-2Rとの間には相関を認めた。また統計上の有意差は認めなかったがマクロファージ活性化症候群を起こした症例では、TLR2,5,9は起こさなかった群と比べて高い傾向が認められた。免疫抑制剤の併用を要した重傷群ではTLR2の上昇が認められた。以上よりAOSDの発症にグラム陽性球菌やDNAウイルスなどの何らかの病原微生物による感染性因子が関わることが予想され、また疾患活動性にも関連することが示唆された。現時点では少数の検討であるためより大きな集団での検討が必要であると考える。また治療前後でのsTLR測定値の変化について検討が必要と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在新規発症の成人スチル病患者について末梢血における可溶性TLRの発現や、治療前後でのTLR測定値の変化について検討を行っているが、成人スチル病は稀な疾患であり新規発症患者の数が少なく、検体採取に難航している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対照群を当院の患者のみに限定せず、広く他施設への研究協力を依頼している。
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Research Products
(1 results)