2014 Fiscal Year Research-status Report
骨破壊性疾患の新展開:間葉系幹細胞とナノファイバーシートによる関節再生医療の確立
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25860821
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
園本 格士朗 産業医科大学, 医学部, 助教 (20636914)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 関節再生 / 関節リウマチ |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチ(RA)、変形性関節症(OA)では、既存治療に抵抗性で関節破壊が進行する患者が多く存在するが、破壊された関節を修復する治療法は確立されていない。我々は骨・軟骨への分化能を有する間葉系幹細胞(MSC)が関節再生に有用と考え、MSC治療の確立に向けた研究を行っている。MSCは免疫抑制能を有すること等が知られ、一部の疾患で経静脈投与(IV)の有効性が報告されているが、IVは関節再生の観点から不適切と考えられ、平成26年度は、投与経路の検討を行う目的で、関節炎動物モデルへのMSC移植実験を行った。 コラーゲン誘発性関節炎(CIA)ラットを用いた実験を行った。CIAラットは、誘導(day 0)後10-12日で関節炎が発症し、42日目には、著明な関節破壊が観察される。CIA誘導と同時にMSCの関節内注射投与(IA)、腹腔内注射投与(IP)を受けた群では同様の経過をたどったが、NF-MSC移植を受けた群では発症が14日目に遅延し、関節炎の程度も関節炎スコアで約1/3と軽微で、関節破壊も著明に抑制された。血清学的には抗II型Collagen抗体の産生がNF-MSCで抑制され、リンパ組織の炎症性サイトカイン発現も低下していた。増殖刺激に対するリンパ球の増殖応答もNF-MSC群で抑制されており、以上よりNF-MSCは免疫抑制作用を介してCIAの関節炎、骨破壊を抑制すると考えられた。ラット足関節の検討では、IA群、IP群で関節にMSCが観察されなかった一方、NF-MSC群でMSCの残存がみられた。in vitro実験では、NFに播種されたMSCの増殖はプラスチック培養皿に比して劣ったが、免疫抑制作用や、軟骨分化誘導作用が知られるTGF-βの産生は、NF-MSCにおいて上昇がみられ、炎症性サイトカインであるIL-6産生はNF-MSCで低下していた。以上より、NFはMSCのサイトカイン産生を調整し、それらを局所にとどめることで、CIA関節炎へ効果を発現すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、平成26年度の目標であった実験を完遂した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、関節再生の検討を行う目的で、NFがMSCの分化能に及ぼす影響を検討するとともに、in vivoでの関節再生検討を行う。
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Causes of Carryover |
試薬代として使用しております。平成25年度、患者由来MSCの入手が不定期であったため、613697円が未使用でした。平成26年度も引き続き患者由来MSCの研究を行い、306270円を使用いたしました。当初予定していたサンプル数より少ないサンプルで、患者由来MSCの実験は完遂したため、残額の307427円は平成27年度の実験に使用いたします。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越の307427円および平成27年分の900000円を試薬代として、前述の研究を行います。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Local Delivery of Mesenchymal Stem Cells with Poly-Lactic-Co-Glycolic Acid Nano-Fiber Scaffold Suppress Arthritis in Rats2014
Author(s)
Xiangmei Zhang, Kunihiro Yamaoka, Koshiro Sonomoto, Hiroaki Kaneko, Makoto Satake, Yuka Yamamoto, Masahiro Kondo, Jidong Zhao, Ippei Miyagawa, Kaoru Yamagata, Shunsuke Fukuyo, Yosuke Okada, Yoshiya Tanaka
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Journal Title
PLOSONE
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access