2015 Fiscal Year Annual Research Report
Charcot-Marie-Tooth病の病態解明:遺伝子の量的変化の関与
Project/Area Number |
25860842
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
阿部 暁子 山形大学, 医学部, 非常勤講師 (10536949)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Charcot-Marie-Tooth病 / 遺伝性ニューロパチー |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的]】Charcot-Marie-Tooth (CMT)病は有病者が2500人に1人と,最も頻度の高い遺伝性ニューロパチーである.現在までに,約50の病因遺伝子が明らかにされている.日本人CMT病では,約半数の病因遺伝子が不明である,特に軸索型CMT病では病因不明例多く、病因頻度,新規病因遺伝子の解明が待たれる. 【方法】軸索型CMT病127症例を対象として,既知の病因遺伝子(MFN2,RAB7,TRPV4,GARS,NEFL,HSP27,MPZ,GDAP1,HSP22,AARS,GJB1,PRPS1,LMNA,MED25,OPA1について翻訳領域のエクソンおよびエクソンーイントロン移行部をPCR法に増幅し,直接塩基配列を決定した。さらに,病因不明の劣性軸索型CMT病の2家系を対象とし,genome-wide SNP microarray technology(Ilumina社)を用いた連鎖解析と次世代 sequencer によるエクソーム解析をおこなった. 【結果および考察】優性遺伝形式をとるMFN2変異 14例,GARS変異 1例,MPZ変異 5例,GDAP1変異 5例,GJB1変異 6例,PRPS1変異1例を検出した。また、末梢神経障害のほかに視神経萎縮症,難聴,遠位尿細管性アシドーシス,性腺機能低下症など多彩な臨床症状を呈した兄弟例でOPA1の複合へテロ接合変異を検出した.劣性遺伝形式をとる病因遺伝子COX6A1を同定し,2家系にホモ接合変異を検出した。 【結論】日本人におけるCMT病では,多くの症例について病因遺伝子が特定されておらず,臨床型,合併症,家族歴等のデータをもとにグループ化し,次世代sequencer などを用いた網羅的遺伝子解析が必要と考える.
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[Book] シャルコー・マリー・トゥース病診療マニュアル 改定2版2015
Author(s)
阿部暁子,早坂清,大竹弘哲,岡本裕嗣,小野寺理,小林庸子,滋賀健介,高嶋博,辻有希子,中川正法,能登祐一,橋口昭大,蜂須賀明子,蜂須賀研二,服部直樹,松嶋康之,宮口琢磨,山下敏彦,山田隆司,和田郁雄,渡邉耕太
Total Pages
181(42-45)
Publisher
金芳堂