2013 Fiscal Year Research-status Report
ステロイド抵抗性喘息における気道上皮細胞のオートファジーの重要性
Project/Area Number |
25860850
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
村井 宏生 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (50464566)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | オートファジー / 気道上皮細胞 / 喘息 / アレルギー / 小児 |
Research Abstract |
本年度においては、気道上皮由来のアラーミンの同定とオートファジーに関するアラーミンの分泌機序の解明を主に行った。本研究に先立って、気道上皮細胞が真菌の一種であるアルテルナリア(以下ALT)の刺激をうけるとアラーミンである、IL-18を分泌するとのデータを得ていた。そのデータを検証するため、A549細胞において同様の実験を行った。A549細胞においてもALT刺激によって経時的、および濃度依存的にIL-18の分泌を上昇させることができた。次に正常ヒト気道上皮細胞を培養し、ALTおよび、コナヒョウヒダニ抗原(以下DF) (ともにgreer lab, USAから購入、米国テキサス大学Sanjiv Sur研究室との共同研究)によって15分刺激した上清をbioplex を用いて測定、Ingenuity pathway analysis を用いてその相関を検討した。ALT抗原刺激群では、以前と同様にIL-18の著明な増加が認められるとともに、近年アレルギー疾患に係るIL-17及びその下流に存在する、IL-1, IL-3, IL-9, IL-10, IL-12,IL-13, CCL2, CCL1, IL-6, CCL3, G-CSFなどの上昇を認めた。DFとALT-Eに共通するサイトカインとしては、IL-3, HGF, CXCL1, IL-13, IL-1RAなどの上昇を認めた。次に、IL-18の分泌機序に関する検討を行った。inhibitor を用いた予備実験では、従来より報告のある、NLRP3ではなくautophagyを介している可能性を示唆していた。そこで、A549 細胞をALTにて刺激後、Western blotting を用いてautophagy誘導蛋白であるLC3-IIとp62を測定したところ刺激後、LC3-IIの増加とp62の減少を認めた。gfp を用いたLive cell imaging (cyto ID autophagy detection kit, enzo, NY )においても autophagosome の増加を認め、この結果より、ALT刺激によってautophagyが誘導され、IL-18の分泌が起こる可能性が高いことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
気道上皮由来のアラーミンの同定とオートファジーに関するアラーミンの分泌機序の解明を主に行った。コナヒョウヒダニとアルテルナリアにおいては、プロファイルをbioplexで検討した後IPAを用いて相関関係を解析することが可能であった。しかしながら、キチン、Poly I:C については、ELISAを行ったものの、IL-18, IL-17A, IL-17Eなど当初想定していたサイトカインの分泌が検出されずプロファイルの解析自体が不可能であった。オートファジーに関する気道上皮由来アラーミンの分泌機序に対してはその培養時間と、その他のインヒビターであるsodium orthovanadate, またp62 LC3-II抗体を用いたwestern blotting の系を確立することができ、オートファジーが関連している可能性が高いということが示唆された。また、GFP を用いたautophagosomeをlive cell imaging を用いて観察する系を確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、現在の研究を更に進め、共通抗原として報告されている、LPSやDFとALTがそのサイトカイン分泌経路とどのように異なるのか、また、オートファジーにより分泌されるIL-18は従来のIL-18と同様のものであるのか、異なるものであれば、bioactivity は従来のものと同様なのかという点に関して、上清のウエスタンブロッティングによる比較、ヒト末梢血単核球を用いてbioactivityを検討していく予定である。また、アルテルナリアやコナヒョウヒダニの刺激培養上清を用いて、繊維細胞や、血管内皮細胞などにどのような作用を及ぼすかという点に介して研究を推進していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年においては、細胞内伝達経路を同定するためのPCR arrayを行うことができなかったこと、その経路を確実にするために、本年行う予定であったsiRNAを用いたノックダウンモデルまで作成するに至らなかったことから、次年度使用額が生じた。 使用計画として、本年度は、その共通性を同定するためのPCR arrayを行う予定である。また、本年においては, 抗原間の共通性を見出すために、複数の追加抗原を購入する予定である。
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Research Products
(5 results)