2015 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー疾患発症の解明に向けたToll様受容体10を介したシグナル伝達経路解析
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25860854
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
久保田 一生 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (10526940)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自然免疫 / Toll様受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的: 本研究では、ヒトTLR10の機能に着目し、プロテオミクス解析を利用して免疫不全やアレルギー疾患等のTLR関連疾患の病態解明を最終目的とした基礎的研究を行った。TLRsの細胞内TIRドメイン間の相互作用を精製されたタンパクで再現することが困難であったため、細胞内でミミックする実験系の構築を試みた。 方法: それぞれのTIRドメインに強制二量体化させる別のドメインをN末端に付加した融合タンパクのコンストラクトを作成し、培養細胞にてこれら融合タンパクの発現系を構築した。 結果: まずはモデルケースとしてTLR1、TLR2について検討を行った。ドメインA付加TLR1-TIRドメインとドメインB付加TLR2-TIRドメインのリコンビナントタンパクの精製に成功した。これらは低分子Cにより強制的に安定二量体化された。さらにドメインA付加TLR1-TIRドメインとドメインB付加TLR2-TIRドメインをHEK293細胞に発現させ、低分子Cを添加することにより転写因子NF-κB活性の上昇が確認された。次いでTLR6、TLR10についてもそれぞれドメインA付加の発現系を構築し、同様の細胞内相互作用ミミック実験を行ったところ、TLR6についてもTLR1同様NF-κB活性を有しているのに対して、TLR10はNF-κB活性上昇はみられなかった。 考察: TIRドメインの相互作用について、細胞内で本来のTLRsのリガンド認識をミミックする実験系が細胞内、試験管内で構築できた。また、TLR10はTLR1と細胞外ドメイン構造は極めて相同性が高く、TLR2との組み合わせでリガンド認識能を有しているとされるが、細胞内ではNF-κB活性誘導能を持たないことが明らかとなった。従って、TLR10はTLR2シグナル経路におけるNegative regulator機能を有しているのではないかと推測される。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] De novo KIF1A mutations cause intellectual deficit, cerebellar atrophy, lower limb spasticity and visual disturbance.2015
Author(s)
Ohba C, Haginoya K, Osaka H, Kubota K, Ishiyama A, Hiraide T, Komaki H, Sasaki M, Miyatake S, Nakashima M, Tsurusaki Y, Miyake N, Tanaka F, Saitsu H, Matsumoto N.
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Journal Title
J Hum Genet.
Volume: 60
Pages: 739-742
DOI
Peer Reviewed
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