2013 Fiscal Year Research-status Report
溶血性尿毒症症候群における尿細管障害の包括的病態解明研究
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25860861
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
忍頂寺 毅史 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10568950)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 溶血性尿毒症症候群 / 志賀毒素 / アポトーシス |
Research Abstract |
細胞および志賀毒素(ST-1,2)の購入、及び細胞培養・細胞実験の手技確立に半年を要したため本格的実験開始が遅延した。開始後は研究計画書に沿って細胞死の検証を行った。まずはじめに尿細管培養細胞に志賀毒素を投与し、濃度・時間によるcell viabilityの測定をトリパンブルー染色を使用して行った。その結果ST-1,2ともおおむね10*-7μg/ml周辺の濃度で24時間incubateすることで適量の細胞死が起こることを確認した。この濃度は過去の多くの細胞での報告と大きく外れていないため妥当であると考えられた。次にこの細胞死にアポトーシスが関与している事の証明をTUNEL染色にて行った。上記で検証した志賀毒素の濃度および時間においてTUNEL染色を行ったところ、陽性になる細胞が多く存在し、定性的にアポトーシスであることが証明できた。現在この濃度における早期アポトーシスをAnnexinVの染色強度を使用することで定量的に明らかにすることを試みており、実験手技の確立及びデータ収集を行っている最中である。本手技が確立すれば今後は研究計画書に従ってアポトーシス関連分子の解析に移っていく。これまでの研究がベースになってアポトーシス促進・抑制物質の投与や、他の細胞での検証、サイトカイン・活性酸素等の他の因子の解析に進んでいくことができるものと考える。患者検体を使った解析も現在の手技確立後に収集していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
細胞および志賀毒素(ST-1,2)の購入、及び細胞培養・細胞実験の手技確立に半年を要したため本格的実験開始が遅延した。残り半年の経過としては比較的当初の予定通り進めることができたが前述のようにアポトーシスの定量性に関して再度多くの検討が必要な状況である。現在様々な条件設定の変更や細胞種の変更等を行い検証を進めている状況ではある。しかしながら全体としては当初の計画よりかなり遅延していることは否めない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はアポトーシスの定量性を明らかにしていった上でさらにarray PCRを行うことでこれまでに全く知られていなかったアポトーシスの経路を明らかにすることができる。また他の細胞や因子に関しては同様のストラテジーで行うことができるため遅れを取り戻すべく進むことができると考えられる。 アポトーシスの定量性が明らかにできなかった場合は現在の機器でなく別の機器を利用することも考えているがさらに実験が遅延することを考えると、Cell viabilityをさらに詳しく解析することで細胞死の定量性を明らかにし、array PCRに進めていくことも考慮する。またアポトーシスそのものが少なかった場合は他の文献もあるようにTNFαのような他の薬剤、サイトカインを加えることでさらにアポトーシスを促進することも考慮する。 array PCRでアポトーシスの経路が明らかになれば実験は当初の予定に近づくことができる。この時点で患者検体の収集も考慮し、研究計画の遂行が可能となる可能性がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の研究費は主に上記実験の器材、材料の購入に充てたほか、見識を広めたりや応用を拡充するため、学会参加・出張を行いその経費にあてた。実験が予定より遅延したため実験にかかわる器材や試薬の購入が予定より少なくなったため繰越額が出た。 実験に関する機材、消耗品、試薬の購入により多く当てていく計画である。旅費は前年度比較的多くなったが今年度は少ない予定である。
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