2014 Fiscal Year Research-status Report
溶血性尿毒症症候群における尿細管障害の包括的病態解明研究
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25860861
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
忍頂寺 毅史 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10568950)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 溶血性尿毒症症候群 / ベロ毒素 / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度は尿細管培養細胞に志賀毒素を投与し濃度・時間による細胞のviabilityの測定を行った。これによって概ね毒素の濃度と暴露時間を決定したのちTUNEL染色によって細胞のアポトーシスを確認した。 平成26年度には実際アポトーシスの定量を行いアポトーシス関連因子の種類と発現量を検討している。まずはTali Imaging Cytometerを用いて染色強度からアポトーシス細胞の定量化を行った。しかしながらアポトーシスを起こしている細胞は多くとも20%程度であったため再度濃度と暴露時間の検討を行った。ところがやはりアポトーシス細胞の割合が少なかったため、次にRT-qPCRによってアポトーシス関連分子の定量を行った。同様にアポトーシス関連分子の発現はごくわずかであり、現行の毒素量や投与法、測定法ではアポトーシスの誘導は不十分と考えた。 今後は志賀毒素に加えてLPSやVEGF等過去の報告にあるような毒素を用いて確実にアポトーシスを誘導していくとともに徐々に集まりつつある患者検体にてアポトーシス関連蛋白やサイトカインの測定を行っていく予定である
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
開始時に実験道具の準備や手技確立に時間を要した。その上で実験手技そのものは極めて順調に進めていたが、上記に記したように通常の方法ではアポトーシスの誘導に至らないことが分かった。他の実験方法を試してみる以外に計画書に記したような別の実験に取りかかるべく準備をしているが計画よりも遅れていることは事実である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は志賀毒素に加えてLPSやVEG、TNFαF等過去の報告にあるような毒素を用いて確実にアポトーシスを誘導していく方法を考えている。また計画書に書かれているようなサイトカインやケモカインの解析も同時に進めていく。また徐々に集まりつつある患者検体を使用してアポトーシス関連蛋白やサイトカイン、ケモカインなどのタンパク質の測定を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
アポトーシス関連分子の解析に計画よりも時間を要することが判明し解析に必要で使用期限が短いarrayPCRキットを実験の進捗に応じて買う必要があるため未使用額が生じた。また結果が出ていないため学会発表や論文作成に必要な経費についても未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
arrayPCRを順次購入しHUSにおけるアポトーシスの経路を明らかにした後は阻害物質や培養条件変更によるアポトーシス抑制実験(RT-qPCRを使用予定)を行う。また患者検体にてアポトーシス関連蛋白やサイトカイン測定を行う。そこで得られた結果を学会発表や論文作成するために予算を使用する。
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