2017 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship between visual cognitive function in early infancy and developmental prognosis of the premature infant
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25860866
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
小西 行彦 香川大学, 医学部, 助教 (60528157)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 乳児 / 発達 / 視覚認知 / 健診 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではまず正常定型発達児の乳幼児期における視覚認知機能を検討するために生後3か月から3歳までの乳幼児を対象に複数の視覚認知機能課題を行った。①再注視課題②色と運動の統合課題③運動透明視課題④音声と顔の統合課題⑤バイオロジカルモーション課題の5つの課題を用いた検討では、①~③の課題では乳幼児期を通じて高い通過率を認めた。また④音声と顔の統合課題⑤バイオロジカルモーション課題については乳幼児期のいずれの年齢においても有意な選好性は見られなかった。 また顔認知機能の検討するために混合顔を用いた課題や新奇選好性を用いた課題では、低出生体重児(多くは極低出生体重児)が正期産児とは異なる結果を示すことを明らかにした。すなわち、正期産児は混合顔課題では正常顔への選好性を認め、新奇選好性課題では新奇刺激への選好性を認めたのに対し、低出生体重児は混合顔課題では正常への選好性を認めず、新奇選好性課題では新奇選好性を認めなかった。このことは低出生体重児が乳児期において視覚認知機能に何らかの異常を持つことを示すと考えられた。 また、低出生体重児を対象とした、これらの課題のうち混合顔を用いた課題の成績と3歳時の発達検査の結果との関連について検討を行ったところ、顔認知課題において何らかの異常を認めた症例では姿勢・運動領域に比べ言語・社会領域が低くなる傾向が見られた。また、3歳時に自閉症スペクトラム障害と診断された症例ではでは顔認知課題で顔上部・正常顔への選好性を認めなかった。これらの結果から乳幼児期の視覚認知機能が幼児期の発達と関連している可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)