2013 Fiscal Year Research-status Report
全エクソーム解析を用いたPFAPA症候群疾患原因遺伝子の同定
Project/Area Number |
25860874
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中島 光子 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20541965)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 全エクソーム解析 / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
PFAPA症候群(periodic fever, aphtous stomatitis, pharyngitis, and adenitis syndrome)はアフタ性口内炎、咽頭/扁桃炎、頸部リンパ節炎を随伴症状とする周期性発熱発作を繰り返す自己炎症疾患であり、国内外で家族発症例の報告がみられることから、遺伝的要因の関与が示唆されているが、本疾患の原因遺伝子の同定には至っていない。本研究の目的は、PFAPA家系例について次世代シークエンサーを用いた全エクソーム解析を行い、原因遺伝子の単離・分子病態解明を行うことである。これまでに、12家系45検体を入手済みであり、全例においてエクソーム解析が終了している。エクソーム解析で得られたデータのリードカバレッジの平均は131、20×カバレッジの平均は91%であり、非常に良好なデータが得られている。本データをバイオインフォマティクスの手法を用いて塩基配列解析を行い、タンパクに影響を与える変異を予測し、疾患原因遺伝子変異の検索を行った。その結果、各家系において数万の遺伝子多型をコールされており、さらに遺伝形式や健常コントロールの配列情報をもとに絞込みをお粉たった結果、家系ごとに24~38個の候補変異が絞り込まれており、数個の候補遺伝子が同定されている。しかし、現時点では疾患原因遺伝子を決定するには至っておらず、さらなる追加検体をもちいて再現性の確認と、疾患病態と遺伝子変異との関連について詳細な機能解析を施工する必要があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の目標としては、PFAPA家系の検体取集と全エクソーム解析による疾患原因遺伝子の絞り込みを施行する予定であった。現時点において、12家系45検体のサンプル収集とエクソーム解析が終了していることから、研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はエクソーム解析の結果から同定された疾患原因遺伝子候補について、遺伝子機能の解明と疾患病態への関与のメカニズムを検討する予定である。 ただし、現時点では複数の候補遺伝しが存在するため、真の原因遺伝子特定には至っていない。そこで、引き続き新規のPFAPA家系の収集を行い、さらに詳細な絞り込みを行っていく必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験試薬の購入延期による減額と平成25年度は国内外の学会出張に伴う旅費が生じなかったため。 本年度は解析に要する追加試薬の購入を予定しおり、また研究成果発表のため国内外の学術集会に参加するための旅費を要する予定である。
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