2014 Fiscal Year Annual Research Report
全エクソーム解析を用いたPFAPA症候群疾患原因遺伝子の同定
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25860874
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中島 光子 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20541965)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 全エクソーム解析 / 小児周期発熱 |
Outline of Annual Research Achievements |
PFAPA症候群(periodic fever, aphtous stomatitis, pharyngitis, and adenitis syndrome)はアフタ性口内炎、咽頭/扁桃炎、頸部リンパ節炎を随伴症状とする周期性発熱発作を繰り返す自己炎症疾患である。本研究では、PFAPA家系例について次世代シークエンサーを用いた全エクソーム解析を行い、原因遺伝子の単離・分子病態解明を行うことを目的としていた。まず我々は、PFAPA症候群をきたす患者およびその家族から血液試料の収集を行い、最終的に12家系、44検体の収集を行った。これらの検体からDNA抽出を行った後、全例につき全エクソーム解析を施行した。各家系において、予想される遺伝形式から候補遺伝子変異の絞込みを行い、その後複数家系において共通して変異がみられる遺伝子の検索を行った。まず、これまで先天性周期発熱の原因遺伝子としてすでに報告のある6遺伝子(MEFV, MVK, TNFRS1A, LPIN2, NOD2, ELANE)において病的変異の検索を行ったが、これらの遺伝子には疾患原因となりうる病的変異は認められなかった。このことは、本疾患が既存の周期発熱疾患とは異なる遺伝的要因によって引き起こされていることを示すものである。また新規候補遺伝子の検索においては、候補変異数は常染色体優性遺伝形式を示す家系においては26~39個であり、孤発の罹患児がみられる家系においては0~5個であった。そのかなかで、疾患候補遺伝子と考えられる遺伝子の検索を行ったものの、複数家系において共通して変異が認められる遺伝子は同定できなかった。このことは、本疾患の遺伝的背景は多様な要因が関与している可能性を示唆するものであると考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Novel compound heterozygous PIGT mutations caused multiple congenital anomalies-hypotonia-seizures syndrome 32014
Author(s)
Mitsuko Nakashima, Hirofumi Kashii, Yoshiko Murakami, Mitsuhiro Kato, Yoshinori Tsurusaki, Noriko Miyake, Masaya Kubota, Taroh Kinoshita, Hirotomo Saitsu, Naomichi Matsumoto
Organizer
The American Society of Human Genetics, 2014 meeting
Place of Presentation
San Diego (CA, USA)
Year and Date
2014-10-19 – 2014-10-21