2014 Fiscal Year Research-status Report
小児期発症の神経筋疾患における心拍変動解析の臨床応用
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25860877
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
服部 文子 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80444975)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 神経筋疾患 / 心拍変動解析 / 予後予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
24時間ホルター心電図を用いて、小児神経筋疾患患者における心拍変動の特性を見出し、心臓合併症の治療評価指標を見出すことが本研究の目的である。H25年度の検討では、進行の早い例で、平均総心拍数が高く、SDNN、pNN50、r-MSSD、Deceleration capacityが低い傾向にあった。 平成26年度は、2施設(国立病院機構鈴鹿病院、国立精神・神経医療研究センター)の共同研究施設を加えた。デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者32人、79データを解析した。このうち10人は死亡例を後方視的に解析し、死亡例について特に検討した。 10人の死亡年齢は16~38歳であった。後方視的検討であったため、各々のホルター心電図記録はばらつきがあった。1例は死亡する1週間前の記録で、SDNN、pNN50、r-MSSD、Deceleration capacityがいずれも著明に低値であった。死亡1か月間に記録した1例では、SDNN、r-MSSD、pNN50が著明低値でDeceleration capacityが比較的低値であった。死亡3年前に最終記録された例では、SDNNとpNN50が著明低値でr-MSSDとDeceleration capacityは比較低値であった。SDNNとpNN50は死亡する数年前から著明低値となり、死亡直前にr-MSSDとDeceleration capacityの著明低値をとることが示唆された。症例を増やし更なる特性を見出していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究施設を増やすことにより、対象症例を増やすことができた。32人の患者における24時間ホルター心電図79データを用いて、Hayanoのコンピュータ解析ソフトで順調に解析を行えている。平成25年度に候補とした予後予測因子を裏付ける結果が出てきている。
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Strategy for Future Research Activity |
定期的に共同研究施設よりデータを得て、解析データを増やしていく。平成27年度は、同一個体内での心拍変動解析の経時的変化と治療や臨床症状の関連性を検討していく。遂行するに当たり支障となるのは、共同研究施設までの移動距離である。研究協力員を派遣することによりまかなう予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度は、共同研究施設との連携を行った。共同研究施設でのホルター心電図機器からのデータをそのまま用いて心拍変動解析を行えたため、新たにホルター心電図測定機器を購入する必要がなくなったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、共同施設からのデータ解析が増える予定である。また、もう一施設共同研究施設が増える予定である。そのため、交通費と人件費が増額する見込みである。また、解析機器の更新の予定もある。
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