2016 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical application of heart rate variability for child-onset neuromuscular diseases
Project/Area Number |
25860877
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
服部 文子 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (80444975)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 予後予測 / 神経筋疾患 / 心拍変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】非侵襲的人工呼吸器療法が普及してから、神経筋疾患では呼吸合併症より心合併症が予後に重要な役割を果たすようになった。しかし、側彎などの影響で心臓超音波検査はしばしば困難で、心臓MRIや核医学検査は限られた施設でのみしか施行できず、BNPは病状を反映しないことをよく経験する。どの施設でも施行可能である24 時間ホルター心電図を用いて、神経筋疾患における予後指標を見出すことが本研究での目的である。【方法】対象は死亡したDMD患者15例(13~41歳、平均25.8歳)。生前に24時間ホルター心電図を個人あたり1~15回(平均4.6回)行っており、計77データを解析対象とした。心室性期外収縮、心拍変動の各パラメーター(SDNN、pNN50、r-MSSD、HRVTI、Deceleration capacity of heart rate、心拍変動スペクトル分析)を解析し、生命予後を予測できるか検討した。【結果】心拍変動の各パラメーターはすべて、死亡日に近くなると有意に低下する傾向を認めた。特に、HRTVI、SDNN、rMSSD、pN50、DCは相関が高かった。一方で心室性期外収縮では有意な傾向を認めなかった。【考察】第一報ではDMD5例について検討し、進行の早い例ではSDNN、pNN50、rMSSD、DCが低い傾向であることを報告した。今回の結果でもこれらは死亡日が近くなると低下する傾向を認めた。これらの傾向は心筋梗塞における生命予後予測と類似する。今後、さらに多くの症例を解析することにより、心拍変動解析を用いて詳細に予後予測ができる可能性がある。
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