2015 Fiscal Year Annual Research Report
ポドサイトの分化と機能維持を制御する新規エピジェネティック分子NSD3の役割
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25860882
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
倉山 亮太 杏林大学, 医学部, 特任講師 (90529223)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ポドサイト / ネフリン / エピジェネティックス |
Outline of Annual Research Achievements |
1. NSD3ノックアウトマウスの表現系観察:Genomic DNAを用いた検索から、確かにNSD3遺伝子の欠失は確認された。しかし、出生時以降、外表や脳、腎、肝、肺、心などの腹腔内および胸腔内臓器に異常はなかった。また、腎については、PAS染色による光顕所見でも、糸球体、血管、尿細管に形態異常は観察されなかった。 2. NSD3ノックアウトマウスの糸球体負荷実験:牛血清アルブミン腹腔内注射とアドリアマイシン静注の系は、いずれも、糸球体タンパク尿を惹起することが知られている。NSD3ノックアウトマウスと野生型マウスに、両方法による糸球体負荷を行った。その結果、いずれの負荷においても、NSD3ノックアウトマウスでは、野生型に対する有意な糸球体タンパク尿の増加は観察されなかった。 3. NSD3の標的プロモーター探索:前年度、マウス糸球体からのprimary culture podocyteの培養系での感染の問題があったが、本年度は順調に遂行できた。このprimary culture podocyteを用いて、改めて、クロマチン免疫沈降を行い、NSD3の標的プロモーターを探索した。その結果、HEK-293細胞を用いたNSD3強制発現系と同様に、ネフリンプロモーターに特異的にNSD3は結合した。CD2APやpodocin、WT-1のプロモーターとの結合性は同定されなかった。
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