2014 Fiscal Year Research-status Report
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25860897
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
二村 昌樹 独立行政法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (30470016)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 系統的レビュー / 食物アレルギー / EBM / データソース / 情報提供 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は前年度に実施した食物アレルギーに関する系統的レビュー(Systematic Review;SR)のリスト更新と新たにランダム化比較試験(Randomized Controlled Trial;RCT)のリスト作成を計画していた。SRリストについては平成25年度分から同じ方法に従って18文献を抽出し合計66文献となった。その内訳は一部重複を含めて、疫学に関するものが32文献、予防に関するものが12文献、診断や評価に関するものが19文献、急性期治療に関するものが9文献、慢性期治療に関するものが20文献であった。 この結果について国内関連学会にて発表したところ、患者を含めた一般市民に対してRCTのリストを公開することに批判的意見が参加者(医療者)の中から多く聞かれた。理由としてはたった1つのRCTの結果によって専門知識のない一般市民を惑わされる可能性が高いというものだった。医学研究結果の公開によって、ようやくわが国でも臨床研究に対する患者のもつ偏見が少なくなっている状況で、誤解によって後戻りだけは避けたいと考えた。その後も検討を重ねて、未だ医学研究の情報の扱いに慣れていない一般市民へのRCTリストの早期公開は見送ることとした。そこでRCTリスト作成のための抽出作業は一旦中止とし、まずはSRリストの一般公開とその反響を見てからRCTリストを公開することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
系統的レビューの更新についても当初の予定よりも早く更新ができた。また英語と日本語以外(フランス語、ポルトガル語など)の論文内容についても海外研究者の協力が得られた。ランダム化比較試験のデータソースについては専門家の意見を踏まえて作成を一旦中止としている。
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Strategy for Future Research Activity |
系統的レビューのリストは、患者にとってのアクセスの便を考慮して患者支援団体(認定NPO法人)のホームページ内に公開を依頼して内諾を得ている。一般市民が理解しやすい用語での解説を作成して公開し、閲覧者からの意見をアンケート形式で聴取する予定である。なおランダム化比較試験のリストについてはこのアンケートの集計結果を見てからの公開となるため、平成27年度中の公開はむつかしいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初予定していたランダム化比較試験のリストの作成が、一時中止となったためこのための文献費用が不要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
リストの公開先を患者支援団体のホームページとしたため、該当部分のホームページ作成と閲覧者へのアンケート実施の費用に使用する予定である。
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