2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25860903
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐藤 裕子(早川裕子) 山形大学, 医学部, 医員 (10594301)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高ビリルビン血症 / UGT1A1 / OATP / 母乳栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
新生児期には髄外造血の停止、胎盤を介した母体によるビリルビン処理の途絶や肝臓でのビリルビン代謝の未熟性、腸肝循環の亢進によるビリルビン排泄の低下等がみられ、生理的に高ビリルビン血症(高ビ血症)を来たし易い。治療を要する高ビ血症は日本人を含めた東アジア人で頻度が高く、重篤になると核黄疸を来たし致死的となる。高ビ血症の明確な原因は未だ不明であり、治療を要する高ビ血症を来たす児は多い。 我々はその原因解明を目的として、現在までにビリルビンの抱合酵素であるビリルビンUDPグルクロン酸トランスフェラーゼ(B-UGT)のUGT1A1遺伝子 Gly71Arg多型が日本人に頻度が高く、高ビ血症に深く関連していると報告した。しかし、前述の多型が新生児高ビ血症の原因すべてを説明できるわけではない。そこで母乳栄養児におけるGly71Arg多型と母乳不足(体重減少率)、高ビ血症の関連に着目し検討したところ、Gly71Arg多型は母乳不足の状況下で初めて危険因子になることを明らかにし、多型を保有する児でも栄養状態を改善することで治療を要する高ビ血症を回避できる可能性を明らかにした。 これらの結果を踏まえ、我々はさらなる原因究明のため、ビリルビンを肝臓内に取り込む輸送タンパクである有機アニオントランスポーター(OATP)の遺伝子多型と高ビ血症の関係に着目し、満期産母乳栄養児401名におけるOATP遺伝子群の4つの多型と体重減少率、高ビ血症の関連について統計解析を施行した。結果、これら遺伝子群の多型は、体重減少率が10%以上の児ではじめて高ビ血症の危険因子となることを報告した。研究は計画より早期に進展し、2015年1月Journal of Human Geneticsに掲載された。 最近、糖水の投与は小腸におけるUGT1A1遺伝子の発現を促進するというマウスを用いた研究が報告された。今後は前述の複数の遺伝子多型と糖水摂取の関連を含め、治療を要する高ビ血症の予防に関する研究を継続する。
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Research Products
(1 results)