2014 Fiscal Year Research-status Report
抗Aレセプター抗体を用いた周産期脳障害の治療法開発
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25860907
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
齊藤 明子 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50615276)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 周産期低酸素性虚血製脳症 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の最終目標は、ある種の炎症性サイトカインの受容体に対する抗体である抗Aレセプター抗体を用い周産期HIEに対する新規治療法を開発することである。 今年度は、抗Aレセプター抗体投与後の血中A濃度の推移、投与後の脳内の抗体分布、また、投与24時間後の急性期評価を行った。 抗Aレセプター抗体投与後の血中A濃度の推移では、抗体投与後0, 2, 4, 24時間の時点で両群のマウス心臓より採血し、血清を分離した。Mouse A ELISA kit (Endogen co. Ltd,にて血清中A濃度を測定した。従来の報告どおりA濃度のピークは負荷後(≒投与後)数時間のところにあり、24時間後には基礎値に近くなった。抗体投与群ではAレセプターがブロックされているため、positive feedback が生じて血清中のA濃度が非常に高値となると考えられた。また、腹腔内投与された抗体は、確かに(全身の)血液中で作用していることを確認できた。 抗Aレセプター抗体投与後の脳内分布では、抗体投与群、対照群1(rat IgG投与)、対照群2(溶媒投与)の3群より抗体投与後(負荷後)3時間で脳を摘出した。パラフィン切片を作製し、抗rat IgG抗体による免疫染色を行った。抗体投与群では抗体の脳局在が確認された。腹腔内投与された抗体は、確かに脳にも分布していることがわかった。 投与後24時間後の急性期評価では、負荷後24時間後に脳を摘出し、パラフィン切片を作製し、免疫組織学的に海馬の歯状回のactive-caspase-3陽性細胞数を評価した。抗体投与群では、コントロール群に比べ42%陽性細胞が減少し、アポトーシス抑制効果があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
効果の確認等順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
効果の機序の確認、行動評価等を予定している。
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Causes of Carryover |
26年度に予定していた免疫組織染色の一部を27年度にしたため、抗体等の購入に充てていた予算が残った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
抗体等の購入に使用する。
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