2013 Fiscal Year Research-status Report
初期栄養計画の新たな指標としての新生児オートファジー研究
Project/Area Number |
25860914
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
関口 和人 大分大学, 医学部, 助教 (40437926)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オートファジー / LC3 |
Research Abstract |
新生児では出生直後の飢餓対応能に個体差がある。出生直後、胎盤からの栄養供給が突然遮断され飢餓状態に陥る。出生に莫大なエネルギーを要するにもかかわらず、ほとんどの児は限られた哺乳量で問題なく過ごすことができる。申請者は出生直後の飢餓状態応答機構として、オートファジーによるエネルギー供給に着目した。マウス新生仔においてはオートファジー活性と出生直後の生命維持の関連が報告されているが、ヒトでの臨床研究は未だ乏しい。 本研究の目的は、ヒト臍帯組織を用いたオートファジー活性の定量化法、迅速評価法を確立し、出生直後の低栄養(低血糖、低蛋白血症等)との関連を明らかにすることである。これにより、飢餓対応能に応じた新生児初期栄養管理のテーラーメード化が可能となる。 初年度においては、臍帯抽出蛋白を用いた新生児オートファジー活性の抽出実験系の確立を行った。ヒト臍帯凍結組織から蛋白を抽出しWestern blottingにてLC3-1、LC3-II、P62を検出した。蛋白発現量をImageJ ver.1.43を用いてβアクチンのバンド濃度との比較を行い半定量化した。 本年度はLate preterm以降の限定的な症例数での検討となった。LC3-II発現量を出生直後と生後5時間で比較し在胎週数、出生体重等の周産期情報との関連を検討した。出生直後優位群において在胎週数が短い傾向がみられた。これら成果を日本小児科学会学術集会で報告し、有識者からの助言を得る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例数の蓄積が十分とは言えない。実験系の確立に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においては、症例数の蓄積を図るとともに、早産症例を研究対象に加えたい。また、オートファジー関連蛋白質発現量と新生児臨床検査値(とくに臍帯血の総蛋白質等の栄養関連生化学検査)との関連の検討を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験系確立に時間を要し、処理症例数が当初予定より少なかったため、抗体等の購入額が当初予定を下回ったため。 本年度も症例蓄積を継続することとしたため、オートファジー関連抗体等の購入量を投与所定よりも増やす必要がある。また、検討抗体の種類を増やすこと、電子顕微鏡での評価の費用として使用したい。
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