2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25860948
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
高橋 綾 高知大学, 医学部附属病院, 医員 (50437737)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | PET/CT / 関節症性乾癬 |
Research Abstract |
18FDG-PET/CT(以下PET/CT)は悪性腫瘍の検出のみでなく、関節リウマチなどの関節炎の評価や早期発見に有用であることが報告されている。本研究ではPET/CTを用いて乾癬患者における関節炎の評価を行い、無症候性PsA患者の臨床的特徴について検討を行った。対象は関節症性乾癬(PsA)患者22名、尋常性乾癬(PsV)患者19名であった。 PsA患者におけるPET/CTの関節炎検出精度については、疼痛や腫脹のある関節の全てにFDG集積をみとめた症例を陽性、一部でも集積がない症例は陰性として解析を行い、検出感度は91%であった。関節炎の好発部位としては膝や足首などの下半身の関節が多く、ついで肩や胸鎖関節に多い傾向が見られた。 PsV患者における検討では、全身療法を行っていない19名のPsV患者のうち5名(26%)において無症候性関節炎が検出され、好発部位は四肢末端の関節であった、これら5名の患者を無症候性PsAと定義し、PsA、PsVおよび無症候性PsVの3群間で臨床的特徴につき解析を行ったところ、PsA患者および無症候性PsA患者ではそれぞれ60%程度に爪乾癬を合併していたことに対し、PsV群では爪乾癬の合併率は28%であった。爪乾癬の有無はPsA発症率の少ない日本人の乾癬患者においても関節炎の早期発見のメルクマールとなりえると考えた。一方、殿裂・肛門周囲の乾癬および頭部乾癬については有意差は認められなかった。血液中の白血球数・CRP値・赤血球沈降速度についても検討したが、3群間で有意差はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
乾癬患者41名でPET/CT検査を施行できており、今後も症例数は増加すると想定される。臨床的特徴については、すでに解析はすんでおり、無症候性PsA患者においても爪乾癬の合併率がPsAと同程度に高いという結果が得られている。PsA早期発見の血液学的メルクマールについては白血球数、CRP、血沈などでは有意差は見られておらず、今後の検討課題である。同意をいただいた患者より血液のサンプリングは施行できており、適正数に到達しだいELISAなどでの解析を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
無症候性PsA患者およびPsV患者の血液も用いて、IL-17.23などの乾癬の発症に関与する炎症性サイトカインにつきELISAで解析を行い、両群間での差を検討していく。またHLAのタイプについても両群間での比較検討を予定している。
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Research Products
(1 results)