2013 Fiscal Year Research-status Report
尋常性乾癬におけるmicroRNAの発現および情報伝達経路解析
Project/Area Number |
25860956
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
市原 麻子 熊本大学, 医学部附属病院, 診療助手 (20635784)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 尋常性乾癬 / 重症薬疹 / microRNA |
Research Abstract |
発症機序は充分に解明されておらず、重症度や病態を反映する疾患マーカーのない皮膚疾患である尋常性乾癬において、皮膚組織および血清、毛髪のmicroRNA 濃度を測定し、発症に関連するmicroRNA を同定、また疾患マーカーへの可能性を調べた。 その結果、尋常性乾癬の皮膚および血清、毛髪ではいくつかのmiRNAが尋常性乾癬に特異的に発現増加または低下しており、診断マーカーへの可能性を示した。以前、尋常性乾癬の病変部においてmiR-424 が MEK1 とcyclin E1 の発現を制御し、加えてMEK1 やcyclin E1 がケラチノサイトの増殖を調節していることが示したが、毛髪においてもmiR-424 が増加していることが分かった。しかし毛髪のmiR-424 は尋常性乾癬の病勢とは相関がなかった。また毛髪のmiR-19aも尋常性乾癬において特異的に増加しており、発症から初診までの期間と逆相関していた。また乾癬のコントロールとして調べた重症薬疹についても、発現しているmiRNAを検索した。中毒性表皮壊死症では、miR-18a-5pによってapoptosis抑制因子であるBCL2L10が減少し、表皮角化細胞のintrinsic apoptosisが生じやすくなると考えられた。また血清のmiR-18a-5p濃度は中毒性表皮壊死症の紅斑やびらんの面積と相関し、重症化のマーカーとなりえることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
乾癬や薬疹の皮膚、血清、毛髪のmiRNAの検出は進んでいる。疾患マーカーになるかどうかについてはサンプルを増やし、多面的な検討がまだ必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
同定されたmiRNA については、乾癬の重症度の指標となっているPsoriasis Area Severity Index(PASI) score、病変部の面積であるbody surface area (BSA)などの臨床所見や好中球、CRPなどの検査データとの相関、皮膚組織、血清、毛髪などの各種サンプル間での差の検討、また尋常性乾癬の5つのタイプ(尋常性乾癬、滴状乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、乾癬性関節炎)別のmiRNA の発現の差の検討を行う。それらの結果をもとに、疾患マーカーとして実用化可能であるか模索する予定である。また重症薬疹についても、重症化する過程、ステージ別にmiRNAの検索を行う必要がある。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Upregulation of miR-18a-5p contributes to epidermal necrolysis in severe drug eruptions.2014
Author(s)
Ichihara A, Wang Z, Jinnin M, Izuno Y, Shimozono N, Yamane K, Fujisawa A, Moriya C, Fukushima S, Inoue Y, Ihn H.
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Journal Title
J Allergy Clin Immunol.
Volume: 133
Pages: 1065-74
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Proportion of Lymphocytic Inflammation with CD123 Positive Cells in Lupus Erythematous Profundus Predict a Clinical Response to Treatment.2013
Author(s)
Miyashita A, Fukushima S, Makino T, Yoshino Y, Yamashita J, Honda N, Aoi J, Ichihara A, Jinnin M, Inoue Y, Ihn H.
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Journal Title
Acta Derm Venereol.
Volume: Epub ahead of print
Pages: Epub
DOI
Peer Reviewed
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