2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規融合遺伝子の発見を経緯としてPDGFによる隆起性皮膚線維肉腫の腫瘍化の理解
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25860960
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
眞鳥 繁隆 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80529470)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 隆起性皮膚線維肉腫 / 融合遺伝子 / 血小板由来増殖因子 / 間葉系腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、琉球大学の皮膚科教室での隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)の原因となる、全く新規のCOL1A2-PDGFB融合遺伝子の発見を経緯とする。この特徴的な間葉系腫瘍の腫瘍化メカニズムを、これまでに知られている血小板由来増殖因子(PDGF)の高発現による持続的な自己増殖刺激のみならず、PDGF受容体側の変異による定常的な活性化という両面より検討することで、その腫瘍化過程を再認識することを目標とした。 リガンド側の異常としては、本研究課題のきっかけである、全く新規の融合遺伝子をさらに対象を広げ、PDGF遺伝子を広く腫瘍細胞に自己分泌しうる間葉系遺伝子との融合との観点より、RT-PCRにより探索した。 今回の研究課題においては、我々は琉球大学皮膚科教室と共同研究機関である群馬大学皮膚科においてこれまでに診断・治療に当たった30余例の隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)の凍結組織や病理標本を用いて、この腫瘍細胞の形質を、従来より知られているPDGFのリガンド側の持続分泌による腫瘍化と、PDGF受容体側の持続活性化の両面より解析し、その腫瘍化プロセスを再検討した。既知のCOL1A1やCOL1A2遺伝子の2種類をプロモーター遺伝子とする融合遺伝子を持たずに、免疫染色でPDGF蛋白の発現が確認された腫瘍について、この2種類の遺伝子以外での遺伝子融合により腫瘍化が生じている可能性を考え、PDGFB遺伝子を下流に設定した5‘RACE法により、その新規融合遺伝子の存在を確認した。 また隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)の発生母地となると考えた線維芽細胞で強い発現活性を持ち、分泌シグナルペプチドをもつ遺伝子をターゲットとして、PDGF遺伝子間でRT-PCRによる遺伝子増幅を行った。 さらに、隆起性皮膚線維肉腫が、真皮に存在するどの間葉系細胞に類似する細胞であるかを決定するために、CD133, CD134, Slug, Sca1, CD34などの間葉系マーカーを選択し解析を行った。
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Research Products
(4 results)