2013 Fiscal Year Research-status Report
皮膚におけるインターロイキン36の活性化に関する研究
Project/Area Number |
25860972
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
山本 雅章 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60624640)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 乾癬 / 皮膚炎 / サイトカイン |
Research Abstract |
インターロイキン36(IL-36)α、β、γはIL-1ファミリーのサイトカインとして同定されたタンパクである。乾癬の病態にはIL-17やTNF-αなどが重要な役割を果たしているが、最近、乾癬表皮でIL-36ファミリーの高発現が見いだされ、培養角化細胞においても、IL-36ファミリーがIL-22/TNF-α /IL-17によって誘導されることが報告されている。一方、膿疱性乾癬では同じファミリーのIL-36RNに変異が検出されており、ごく最近、新たなサイトカインとしてIL-38が同定され、IL-36RNに似た作用を示すことが示唆されている。本研究では、IL-36RNおよびIL-38変異の探索と、これらを制御するマイクロRNAの同定、IL-36ファミリー等を皮膚で発現するマウスの表現型解析を通じて、自己炎症性の病態を示す皮膚疾患の解明に寄与することを目的に研究を進めている。 IL-36ファミリーの中で、IL-36γが乾癬表皮においてとくに強く発現することが示唆された。そこで、本年度は、IL-36γを表皮特異的に発現するベクターの作成、その誘導活性の検討、トランスジーンの構築、トランスジェニックマウスの作成を実施した。マウスIL-36γcDNAのコード領域の配列をPCRで増幅し、全配列を決定した後に、ケラチン5あるいは14遺伝子のプロモーター配列の下流につなぎ、発現ベクターを構築し、このベクターを培養ヒト角化細胞に導入し、実際にマウスIL-36γ遺伝子の誘導が生じることを定量的RT-PCRで確認した。このプラスミドベクターを制限酵素処理で除き、得られたトランスジーンのDNAをマウスの前核にマイクロインジェクションし、トランスジェニックマウスを作出した。現在、皮膚におけるトランスジーンの発現を調べている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トランスジェニックマウスのうち11匹にトランスジーンが陽性であり、現在、皮膚におけるトランスジーンの発現を解析している。膿疱性乾癬は稀な疾患であるが、現在まで7例のゲノムDNAをもとにIL-36RN遺伝子解析を実施、2例に変異を同定した。
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Strategy for Future Research Activity |
導入したIL-36γ遺伝子の発現量が高いマウスを定量的RT-PCR等で選別する。乾癬病変の自然発症の有無を観察するとともに、これら遺伝子導入マウスの背部を脱毛し、イミキモド/TPAを外用することによって、乾癬類似の病変を誘発させ、誘発強度に有意な差が見られるトランスジェニックマウスをC57BL/6と交配し系統樹立する予定である。遺伝子解析については、IL-36RNだけでなく、複数の乾癬関連遺伝子を含めて次世代シーケンサーを用いた網羅的な解析を実施する予定である。
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Research Products
(1 results)