2014 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍随伴性天疱瘡における自己免疫発症と水疱形成機序の解明
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25860976
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
夏秋 洋平 久留米大学, 医学部, 助教 (40389309)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Paraneoplastic pemphigus / Epiplakin / A2ML1 |
Outline of Annual Research Achievements |
当院で解析した腫瘍随伴性天疱瘡(PNP)は1997年~2014年で計108例であり、臨床症状は記載のあった87例中82例で口腔粘膜病変を、35例で眼病変を、7例で鼻腔病変を、27例で性器粘膜病変を認め、粘膜のみに症状を認めたのは24例であった。皮膚病変が見られた61例では37例で紅斑、25例で水疱、9例で尋常性天疱瘡様皮疹、5例で扁平苔癬様皮疹が見られ、14例は多彩な皮膚病変を呈した。随伴腫瘍は悪性リンパ腫43例に次いでCastleman腫瘍16例、固形癌12例、胸腺腫9例、肉腫6例であった。 病理組織学検査を行った64例では34例で表皮内水疱、9例で表皮下水疱、38例で表皮棘融解、29例で表皮細胞壊死を認めた。DIFを行った54例では44例で表皮細胞膜にIgGあるいはC3の沈着を、35例で表皮基底層部への沈着を認めた。ラット膀胱上皮を用いたIIFでは抗細胞膜IgG自己抗体が72例で検出され、抗基底膜IgG自己抗体は7例で検出された。 ヒト表皮抽出液を基質とした免疫ブロット法(IB)では全例が210kDaと190kDaに反応し、10例で230kDaに、10例で130kDaに、4例で180kDaに反応した。KU8 cell lineの培養細胞抽出液を基質とした免疫沈降法(IP-IB)では解析した50例中11例が450kDa(エピプラキン)に反応し、また培養ヒト表皮細胞抽出液を基質としたIBでは解析した58例中22例が170kDa(A2ML1)に反応し、COS7 cell lineの培養細胞抽出液を基質としたIP-IBでは58例中40例がA2ML1に反応し、抗A2ML1自己抗体がPNPの病原性自己抗体の一つである可能性を示唆した。随伴腫瘍を摘出した1例で摘出腫瘍の培養細胞上清とヒト表皮抽出液を用いたIBを行ったところ210kDに反応し、随伴腫瘍による自己抗体産生の可能性を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
・PNPは比較的稀な疾患であり、研究実施中の学内新規患者登録がなかった点。 ・解析中の症例は全例が他施設から抗体検索依頼されたものであるため、随伴腫瘍の渉猟ができていない点。 ・現時点では、当院で腫瘍摘出を施行した症例での腫瘍組織の凍結保存例が1例のみであり、随伴腫瘍からの自己抗体産生の可能性についての追加検討が行えていない点。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、新規PNP患者の渉猟に努め、同時に当院で解析した108例につき、国内外の他施設から依頼された症例において、随伴腫瘍摘出の有無ならびに摘出腫瘍の凍結保存の有無につき未確認の症例に対して詳細の確認を進める。
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Causes of Carryover |
PNPは比較的稀な疾患であり、研究実施中の学内新規患者登録がなかった点、解析中の症例は全例が他施設から抗体検索依頼されたものであるため、随伴腫瘍の渉猟ができていない点、現時点では、当院で腫瘍摘出を施行した症例での腫瘍組織の凍結保存例が1例のみであり、随伴腫瘍からの自己抗体産生の可能性についての追加検討が行えていない点が理由と考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き当院ならびに国内外の施設からの生体試料の渉猟に努めながら、未使用額は、腫瘍細胞培養に使用する培地や各種試薬の購入、免疫ブロット法や免疫沈降法、フローサイトメーター解析の際に用いる各種抗体や各種酵素類、実験消耗品の購入経費、学会発表の出張経費に充当する予定である。
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