2014 Fiscal Year Annual Research Report
CCR5を軸とした悪性黒色腫の進展メカニズムの研究
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25860977
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
日野 亮介 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (30446116)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 悪性黒色腫 / ケモカイン受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
当科にて施行された手術標本において、CCR5発現についてその強度、頻度を腫瘍細胞で確認するとともに、臨床病期や経過とどのように相関するか、パイロット的に10数例で検討したところCCR5発現が強い例が予後が短い傾向にあった。当科の過去10年における手術例を同様に検討したところ、明らかな予後の差、無病生存の差は得ることができなかった。また、臨床病型、腫瘍のサイズ、深達度においても一定の傾向はなく、原発巣におけるCCR5発現と悪性黒色腫の増悪、ないしCCR5発現が予後因子になりうるか、という点においては今回明らかにはできなかった。複数回の検討ができた例において腫瘍の増悪、進展とともにCCR5発現が増強してきた例が数例確認できた。そのため、CCR5発現を増強させる生体側の因子があるか否かを検討することとし、患者血清中のIL-17A, TNF-αなどの炎症性サイトカインの濃度との相関をみるため、ELISA法にて確認した。ステージ3までの患者においては有意な差はなく、ステージ4の患者において血清IL-17Aが高い傾向にあったものの、その他には一定の傾向がみられなかった。本年度においてはよい結果が得られなかったが今後の方針としては各転移巣での検討、転移能の有無にフォーカスをあて検討していく予定。
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