2014 Fiscal Year Annual Research Report
インターロイキン1が統合失調症の病態に果たす役割の解明
Project/Area Number |
25860992
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
澁谷 雅子 新潟大学, 保健管理本部, 講師 (70631620)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | インターロイキン1 / 統合失調症 / 関連解析 / メタ解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
インターロイキン1(IL-1)とは、炎症性サイトカインの一種であり、統合失調症の病態への関与が示唆されている。インターロイキン1ベータ(IL1B)遺伝子と統合失調症の関連について、先行研究の多くは頻度の高い少数のマーカーを小規模サンプルで解析しており、一致した結果が得られていない。メタ解析ではrs16944と統合失調症の関連が示されたが、含まれた研究の数が十分ではない。そこで、IL-1が統合失調症に果たす役割を解明することを目的として、IL1B遺伝子の詳細解析と最新のメタ解析を実施した。 2つの独立サンプル(1,229の症例・対照と112の発端者-両親トリオ)を用いて、12のマーカー(タグ一塩基多型、リシーケンスにより同定されたミスセンス変異)について関連解析を行った。また、rs16944のメタ解析(症例・対照8,724の症例・対照と201のトリオサンプル)を実施した。 いずれの解析においても、IL1B遺伝子と統合失調症との有意な関連は認められなかったことから、統合失調症の発症リスクに対するIL1B遺伝子の寄与を支持する根拠は得られなかった。 また、統合失調症の臨床病期(抗精神病薬未服薬の初発エピソード、長期服薬の慢性期)に特有の血清IL-1変化パターンを同定するとともに、血清IL-1に影響を及ぼす遺伝子変異を同定するために、血清サンプル収集を行ったが、現時点で目標数に到達しなかった。今後は、サンプルが集まり次第解析する予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] A rare MIR138-2 gene variation is associated with schizophrenia in a Japanese population.2014
Author(s)
Watanabe, Y., Shibuya, M., Nunokawa, A., Kaneko, N., Igeta, H., Egawa, J., Someya, T., Hishimoto, A., Mouri, K., Sora, I.
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Journal Title
Psychiatry Research
Volume: 215
Pages: 801-802
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Association analysis of putative cis-acting polymorphisms of interleukin-19 gene with schizophrenia.2014
Author(s)
Okazaki, S., Watanabe, Y., Hishimoto, A., Sasada, T., Mouri, K., Shiroiwa, K., Eguchi, N., Ratta-Apha, W., Otsuka, I., Nunokawa, A., Kaneko, N., Shibuya, M., Someya, T., Shirakawa, O., Sora, I.
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Journal Title
Progress in Neuro-psychopharmacology & Biological Psychiatry
Volume: 3
Pages: 151-156
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] TPH2遺伝子と日本人統合失調症との2段階関連解析2014
Author(s)
布川綾子, 渡部雄一郎, 飯嶋良味, 江川純, 金子尚史, 澁谷雅子, 有波忠雄, 氏家寛, 稲田俊也, 岩田仲生, 栃木衛, 功刀浩, 糸川昌成, 尾崎紀夫, 橋本亮太, 染矢俊幸
Organizer
第36回日本生物学的精神医学会
Place of Presentation
奈良県文化会館
Year and Date
2014-09-29 – 2014-10-01
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[Presentation] 統合失調症とHLA-DRB1*01およびHLA-DRB1*04の遺伝子関連解析2014
Author(s)
岡﨑賢志, 菱本明豊, 渡部雄一郎, ラッターアーパーウォラパット, 毛利健太朗, 白岩恭一, 笹田徹, 江口典臣, 大塚郁夫, 布川綾子, 澁谷雅子, 染矢俊幸, 曽良一郎
Organizer
第36回日本生物学的精神医学会
Place of Presentation
奈良県文化会館
Year and Date
2014-09-29 – 2014-10-01
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[Presentation] マイクロRNA30E遺伝子の稀な変異と統合失調症との関連2014
Author(s)
江川純, 飯嶋良味, 渡部雄一郎, 布川綾子, 金子尚史, 有波忠雄, 氏家寛, 稲田俊也, 岩田仲生, 功刀浩, 糸川昌成, 佐々木司, 尾崎紀夫, 橋本亮太, 澁谷雅子, 井桁裕文, 染矢俊幸
Organizer
第36回日本生物学的精神医学会
Place of Presentation
奈良県文化会館
Year and Date
2014-09-29 – 2014-10-01