2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25861001
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宇野 洋太 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40539681)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 神経発達障害 / 自閉スペクトラム症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自閉症スペクトラム(ASD)を診断するための半構造化面接法であるDiagnostic Interview for Social and Communication Disorder日本語版(DISCO-J)の、Autism Diagnostic Interview - Revissed(ADI-R)に対する併存妥当性を検討している。本研究ではASD群のほか、定型発達群や統合失調症3例、反抗挑発症2例、知的能力障害、双極II型障害、社交不安症、身体症状症、神経性やせ症、および適応障害各1例含む77例(平均月齢160.2、標準偏差99.5、また平均IQ97.3、標準偏差22.2)を対象に、半構造化面接法であるDISCO-JおよびADI-Rを実施し、両法間での妥当性を検討した。 全77例のうち、ADI-RにおいてASDと診断されたものは52例で、非ASDと診断されたものは25例であった。他方、DISCO-JにおいてASDと診断されたものは54例で、非ASDと診断されたものは23例であった。これらからDISCO-JのADI-Rに対する粗一致率0.94は、Kappa係数は0.88であった。 したがって、ASDの診断のための国際的なゴールドスタンダードであるADI-Rに対して、DISCO-Jは高い基準関連妥当性を有していることがわかった。よってDISCO-Jは発達障害の診断に有効な半構造化面接法であるということがいえる。本法はASDの的確な診断を可能とするとともに、発達全般に渡る状況を把握でき、ASDの支援を検討する上でも有用なツールとなる。本研究が発達障害の妥当性の高い診断を可能とし、そのことを通じASDのライフサポートに寄与できることを期待する。
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