2013 Fiscal Year Research-status Report
自閉症のイメージングジェネティクスによる病態解明の試み
Project/Area Number |
25861013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
伊藤 弘道 徳島大学, 大学病院, 特任助教 (10398018)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害 / イメージング / MRI / 1H-MRS / ゲノム解析 |
Research Abstract |
①中間表現型としての各種検査、臨床症状や家族歴・既往歴などの問診: 徳島大学小児科を受診している自閉症スペクトラム障害(ASD)児に中間表現型としての各種検査、臨床症状や家族歴・既往歴などの問診を行った。各種検査時にはインフォームドコンセントを保護者と、説明の理解が可能であればASD児本人から得た。 A)中間表現型の各種検査として、以下を行った。(1)頭部MRI、1H-MRS:前部帯状回・小脳に関心領域をおき、関心領域内の各種代謝物質濃度を測定した。(2)脳波: ASDの約2-3割で脳波異常を認めるので異常の種類と出現部位を確認する。(3)ABR:ASDにおけるコミュニケーション障害に難聴が関係していないことの確認と脳幹機能評価。(4)血液検査:ASDの基礎疾患の検索。 B)臨床症状や家族歴・既往歴などの問診について以下を行った。(1)WISC-III・IV、遠城寺式発達検査:知能指数・発達指数の測定。(2)AD/HD-RS:ASDによく合併するAD/HD症状のスコアリング。(3)CBCL:多項目の設問により、詳細な行動上の問題点の評価。(4)問診:父母の年齢、家族歴、既往歴、発達歴、てんかんの有無など。 ②ASD感受性遺伝子多型解析対象患者のノミネートとインフォームドコンセントの取得および末梢血中ゲノムDNA採取: 保護者と説明内容理解可能であれば児からもインフォームドコンセントを得て各種ASD感受性遺伝子多型の解析 (SNV、CNV)用に末梢血あるいは唾液を採取しゲノムDNAを約30例原則トリオで(トリオで合計約90検体)抽出している。特に表現型から遺伝的な変異の関与を強く疑う患児を中心に、自閉症関連遺伝子候補を含む約4000遺伝子の疾患関連遺伝子のターゲットリシーケンスによるゲノム解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
テストケースを当初80例を想定していたが、実施の中で、インフォームドコンセント取得が可能でかつ本人と両親検体を全て確保できる例が限られることがわかり、特に両親検体については唾液からのDNA抽出をオプションとして追加することにした。臨床症状の問診、知能検査、AD/HD-RS、CBCLなどもできており、イメージング検査も実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
症例のリクルート、臨床症状・検査、ゲノムDNA収集を継続し、予定症例数を達成する。中間表現型として、MRI、1H-MRS、脳波を集中的に収集する。中間表現型と臨床所見から、遺伝的な要因が強く推定される群を中心に、順位付けすることで、効率よくゲノム解析を進め、遺伝的背景を検討する。特にイメージングと遺伝情報から特定の表現型やその程度の予測を目指して、検討を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ASD感受性遺伝子多型解析キット等の購入内容について一部保留している。結果をだすためのより有効な製品を考慮している最中である。 主としてASD感受性遺伝子多型解析キット等の購入にあてる。
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Research Products
(6 results)