自閉症スペクトラム障害の生物学的基盤：非罹患同胞との相違に注目して

2015 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 25861030
• Research Institution: Keio University
• Principal Investigator: 山縣 文 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30439476)
• Project Period (FY): 2013-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: 発達障害 / 脳画像研究 / 同胞研究

Outline of Annual Research Achievements

平成27年度は被験者データの取得を開始した。現在、ASD患者11名、非罹患同胞14名、健康対照者10名と順調にデータを集積している。来年度末までの目標人数は各群20名であり、残りは約半数である。さらにデータ集積を推し進めるために研究補助員を2名に増員し、また外来担当医師との連携もより頻繁に行っている。そのため、現時点では来年度末までに目標人数まで被験者を集めることができると思われる。また、国内外の学会へ参加し、発達障害の最新の知見および研究について学んだ。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昨年度まで、研究実施施設である昭和大学附属烏山病院のMRI装置が1.5から３テスラへ入れ替わるための工事やその後のセッティングがあったため、まったく臨床データを取得することができなかった。しかし、本年度から本格的に被験者の登録を開始したため、当初は研究の進行の遅れが心配であった。しかしながら昨年度1年で目標人数の半数以上の被験者を登録できており、来年度末までにはデータ取得は終了できると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

昭和大学附属烏山病院の発達障害専門外来は多くの患者が通院している。さらに現在は外来担当医との連携を強化し活発に被験者の登録を進めている。これを引き続き行ない、来年度内に目標の症例数を集めることは十分に可能であると考える。データ収集が終了し次第、すぐに脳画像解析を開始して、結果を学会で発表する。その後速やかに論文化し、publishすることを目標としている。

Causes of Carryover

実際のMRI撮像が今年度から開始となったため、被験者や実験協力者への謝金の支払いが少なかったため次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度も目標人数に達するまで被験者より多くのMRIデータを集積するため、主に謝金と人件費の経費として使用する予定である。