2014 Fiscal Year Annual Research Report
難治性うつ病に対する在宅覚醒療法の開発に関する研究
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25861032
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鈴木 正泰 日本大学, 医学部, 助教 (20526107)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | うつ病 / 時間生物学 / 覚醒療法 / 高照度光療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、複数回断眠に高照度光療法を併用した時間生物学的治療の難治性うつ病に対する有効性・安全性の検証を行った。平成26年度は新たに3例の薬剤抵抗性うつ病患者に対して本治療を実施した。本治療プロトコールでは、1日おきに3回の全断眠を行うとともに、初回断眠時より高照度光療法(10,000ルクスの白色光を毎朝30分照射)を1週間行った。治療プロトコール中も内服薬は継続とし、断眠時のみ睡眠薬の服用を中止した。 本研究期間中、計5例(男性2名、女性3名 平均年齢43.8 ± 9.9歳)の薬剤抵抗性うつ病患者に対して本治療を実施した。治療プロトコール中1日おきに3回断眠を行ったが、覚醒の維持はさほど困難ではなく、脱落例はなかった。また、本治療によって明らかな有害事象が生じた症例もなかった。治療効果の判定にはハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)を用いたが、本治療プロトコール終了時点で反応(HAM-Dにて50%以上の改善)を示した症例は5例中2例(40%)であった。しかし、治療プロトコール終了から1週間経過した時点では5例中4例(80%)が反応を示し、うち3例(60%)は寛解(HAM-D得点が7点以下)に至った。 これらの結果から、本治療プロトコールは薬剤抵抗性うつ病に対して安全かつ有効であり、治療効果の一部は遅効性である可能性が考えられた。うつ病患者の約3割は複数の抗うつ薬の投与によっても寛解に至らない薬剤抵抗性を示すが、本治療はこのような難治例に対する新たな治療選択肢となり得ると考えられた。
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[Journal Article] Association of short sleep duration and short time in bed with depression: A Japanese general population survey2015
Author(s)
Furihata R, Uchiyama M, Suzuki M, Konno C, Konno M, Takahashi S, Kaneita Y, Ohida T, Akahoshi T, Hashimoto S, Akashiba T
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Journal Title
Sleep Biol Rhythm
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 概日リズム睡眠障害の薬物治療2014
Author(s)
鈴木正泰, 金野倫子, 内山真
Organizer
日本睡眠学会第39回定期学術集会
Place of Presentation
あわぎんホール(徳島県・徳島市)
Year and Date
2014-07-03 – 2014-07-04
Invited