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2013 Fiscal Year Research-status Report

アルコールが及ぼす細胞内Cl-調節機構への影響

Research Project

Project/Area Number 25861035
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionKawasaki Medical School

Principal Investigator

水野 晃治  川崎医科大学, 医学部, 講師 (10551046)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywordsアルコール / 薬物依存 / GABA
Research Abstract

エタノールによるアルコール依存症発症と報酬系神経回路におけるCl-濃度調節機構変化の相関性についてエタノール誘発性アルコール依存症モデルを用いて行動薬理学的、神経科学的観点から検討を行うとともに、エタノールによる細胞内Cl-濃度調節機構への影響を神経細胞を用いて検討を行った。
行動薬学試験においてエタノールを4日間空気曝露し、その後3日間休薬することを2回繰り返すことによって、エタノール嗜好性マウスの作成を行った。嗜好性獲得の評価は2ボトル法を用いて行った。条件付けされたマウスは対照群と比較して有意にアルコール摂取量の増加が認められた。現在、エタノール嗜好性マウスおよび対照群を用いて報酬系神経回路におけるCl-濃度調節機構の神経化学的変化を検討中である。
また、マウス胎児大脳皮質より、マウス初代培養神経細胞を分離培養し、神経細胞におけるエタノールによるCl-濃度調節機構の変化について検討を行った。ウェスタンブロット法およびリアルタイムPCR法を用いてCl-濃度調節機構の変化を検討したところ、エタノールにより、Cl-ポンプであるNKCC1およびKCC2の発現に有意な変化は認められなかった。そこでGABA(A)受容体alphaサブユニット(1,2,3,4,5,6)のmRNAの発現変化をリアルタイムPCR法を用いて検討したところ、alpha6サブユニットに有意な発現増加が認められた。GABA(A)受容体alpha6サブユニットのプロモーター領域にNFkB family結合サイトが多数存在することから、NFkB familyの核内発現を検討したところ、cRelの有意な発現増加が認められた。このことからエタノールはcRelの核内発現を誘導することでGABA(A)受容体alpha6サブユニットの発現増加させていることが考えられる。現在、神経細胞の機能的変化と合わせて詳細に検討中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度は動物実験を中心に成果を上げる計画であった。アルコール嗜好性マウスの評価に際し、当初の計画では場所嗜好性試験を用いる予定であったが、アルコール依存症を評価するにあたり、飲酒欲求の評価の方がよりアルコール依存の実態を反映していると考え、2ボトル法による飲酒欲求の評価を行ったためモデルの作成に時間がかかってしまった。しかしながら、次年度に行う計画であった神経細胞を用いたエタノールによるCl-調節機構の神経化学的変化の解析においては、エタノールによるcRelを介したGABA(A)受容体alpha6サブユニットの発現増加機構が存在する可能性を見出し、目覚ましい成果が得られたと考えている。よって計画の前後はあったが、おおむね順調に成果を上げているものと考えられる。

Strategy for Future Research Activity

今後は動物実験を用いて、前頭前野、側坐核、腹側被蓋野を含む報酬系における細胞内Cl-濃度調節機構の変化を神経化学的に検討する。また、初代培養神経細胞において認められたGABA(A)受容体alpha6サブユニットの発現増加機構をNFkB活性化経路に着目し、阻害剤およびChIP Assayを用いて詳細に検討する。また、アルコール嗜好性マウスの脳切片および初代培養神経細胞を用いて、アルコールによる神経細胞の機能的変化をCl-感受性蛍光色素を用いて検討を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究を円滑に進めるためにすべて物品費に充てたが、研究費の不足が予想されたため学会発表における旅費は請求しなかったため。
差額が少額であるために次年度における使用計画には大きな変更はないが、一般試薬の購入に費用を充てることを考えている。

  • Research Products

    (4 results)

All Other

All Presentation (4 results)

  • [Presentation] アルコール依存における細胞内カルシウム、クロライドイ オン調節因子の発現と病態生理学的役割

    • Author(s)
      水野 晃治、黒川 和宏、大熊 誠太郎
    • Organizer
      平成25年度アルコール・薬物依存関連学会合同学術総会
    • Place of Presentation
      岡山コンベンションセンター
  • [Presentation] アルコール依存症と気分障害の病態生理学的機序の関連性

    • Author(s)
      水野 晃治、黒川 和宏、芝崎 真裕、大熊 誠太郎
    • Organizer
      第23回日本臨床精神神経薬理学会・第43回日本神経精神薬理学会合同年会
    • Place of Presentation
      沖縄コンベンションセンター
  • [Presentation] アルコール依存症モデルにおけるうつ様行動とシナプス可塑的変化

    • Author(s)
      水野 晃治、黒川 和宏、大熊 誠太郎
    • Organizer
      第20回創薬・薬理フォーラム岡山
    • Place of Presentation
      岡山大学
  • [Presentation] The role of GABA(A) receptors on EtOH-induced type 1 IP3R-1 up-regulation

    • Author(s)
      水野 晃治、黒川 和宏、大熊 誠太郎
    • Organizer
      CPDD 76th Annual Scientific Meeting
    • Place of Presentation
      Hilton Caribe, San Juan, Puerto Rico

URL: 

Published: 2015-05-28  

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