2014 Fiscal Year Research-status Report
PETを用いたドーパミン神経系による自己意識の制御機構に関する研究
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25861039
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
高畑 圭輔 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (20645311)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | パイロット実験 / 心理課題の調整 / 心理課題の調整 / PET画像の予備解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、平成25年度に行った心理実験の選定作業を土台として、(1)平成25年度に選定された心理実験課題(intentional binding課題)を用いたパイロット実験の施行、(2)健常被験者およびうつ病患者におけるintentional binding課題データの収集、(3)[11C]Racloprideおよび[11C]SCH23390によるPETデータの解析、(4)ドーパミンD2受容体と離人症状と関連の検討を行った。 (1)平成25年度に選定された心理実験課題(intentional binding課題)を用いたパイロット実験の施行:健常被験者を対象に、intentional binding課題を用いたパイロット実験を行い、心理実験における視覚刺激の種類の選択、提示時間の調整、試行回数の調整、フィードバック方法の調整、教示の修正などの作業を行った。 (2)健常被験者およびうつ病患者におけるintentional binding課題データの収集:パイロット実験の結果を踏まえ、PET検査に用いる心理実験課題であるintentional binding課題について、実際に健常被験者25名およびうつ病患者14名に施行し、データの収集および解析を行った。心理課題の成績と脳内ドーパミン受容体との関連をみるため、ドーパミンとの関連の深い報酬刺激を心理課題に追加し、intentional bindingの強度がどのように変化するかを調べるという工夫を加えた。 (3)[11C]Racloprideおよび[11C]SCH23390によるPETデータの解析:PETの撮像に進む前に、放医研で過去に撮像された[11C]Racloprideおよび[11C]SCH23390によるPETデータの再解析を行い、脳内のドーパミンD1およびD2受容体の相関関係を検討した。 (4)ドーパミンD2受容体と離人症状と関連の検討:[11C]FLB457によって測定されたドーパミンD2受容体と、意志作用感(sense of agency)との関連が深い離人症状との関連を調べる検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
心理課題実験における、課題の作成およびデータの収集は順調に進んでいると言える。平成26年度に行った作業をもとに、パイロット実験および実際のデータ収集を行うことができた。一方で、PET実験については、2種類の放射性薬剤([11C]Racloprideおよび[11C]SCH23390)を用いたPET撮像の開始が遅れており、課題全体としてはやや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、健常ボランティアのリクルート活動を進め、[11C]Racloprideおよび[11C]SCH23390)を用いたPETの撮像を開始することを予定している。さらに、得られたPET画像データと心理課題の成績との相関関係を解析し、意志作用感と脳内ドーパミン受容体との関連を解明することを目標とする。
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Causes of Carryover |
平成26年度分の予算として、PET実験に必要な物品の購入を予定していたが、PET撮像の開始が遅れたため、結果的に次年度に持ち越すことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度の予算のうち、使用しなかった分は、平成27年度にPETに必要な物品の購入に当てる予定である。
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Research Products
(1 results)