2014 Fiscal Year Annual Research Report
超短縮エコー時間磁気共鳴画像の肺評価法の確立と臨床応用
Project/Area Number |
25861052
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
佐々木 智章 旭川医科大学, 医学部, 助教 (60586874)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肺気腫 / 慢性閉塞性肺疾患 / 肺UTE-MRI / %LAA |
Outline of Annual Research Achievements |
3)肺気腫あるいは肺塞栓患者で肺UTE-MRIで得られる肺信号やT2*値が病態把握に有用かどうかを明らかにする。 【方法】21人の禁煙健常ボランティア群と7人(6人はCOPD、1人はCOPD予備軍)の患者群を対象にスパイロメトリーと肺UTE-MRI(安静呼吸下、エコー時間0.2、0.8、1.4、2ミリ秒)を施行した。さらに7人の患者群には胸部単純CTも施行した。1) 健常ボランティア群と患者群の肺UTE-MRIの各肺葉の信号雑音比(SNR)、T2*値を比較した。2) 患者群の一秒率とCTにおける気腫割合(%LAA; カットオフ値 -950HU)と肺UTE-MRIにおけるSNRの関係をPearsonの相関係数で評価した。 【結果】1) 健常ボランティア群に対して患者群の肺UTE-MRI(エコー時間 0.2ミリ秒)のSNRは右肺上葉、左肺上葉、左肺下葉で有意に低かった(P<0.05)。T2*値において差は見られなかった。2) 患者群の一秒率は右肺下葉と左肺下葉の%LAAと有意な負の相関を示したが(P<0.05)、肺UTE-MRIとは相関がなかった。患者群の右肺上葉の%LAAと肺UTE-MRIのSNRは有意に負の相関を示した(P<0.05)。左肺上葉も同様の傾向があったが有意差はなかった。しかし、両下葉の%LAAと肺UTE-MRIはほとんど相関はなかった。【結論】肺UTE-MRIにおいて上葉の気腫を描出できる可能性が示された。しかし、下葉の気腫病変の描出の向上は、撮像方法を呼吸同期下で行うなど改善すべき点があると思われた。 つまり、当研究の当初の目的である、肺気腫描出が可能だったので最低限の目的は達成された。しかし、呼吸機能を反映する意義を表現するには工夫の余地があるとのことである。
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