2013 Fiscal Year Research-status Report
子宮頚癌腔内照射における患者の苦痛を軽減し本邦の現状に即した麻酔法の開発と普及
Project/Area Number |
25861073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
根本 未歩 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50568665)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 症例蓄積 |
Research Abstract |
子宮頚癌の根治治療において腔内照射は欠かせない治療法であるが、患者にとっては身体的にも精神的にも苦痛が大きい。患者の苦痛を軽減し、適切なアプリケーター配置を達成するためにも、十分な除痛・鎮静処置は必須である。プロポフォール、ケタミンを組み合わせたProcedural sedationを腔内照射中の麻酔に応用する方法を開発した。これまでの研究で安全で効果的な除痛・鎮静を得るとともに高い患者満足度が得られている。一方、除痛が不十分な症例が存在することも明らかになっている。そこで、除痛が不十分な症例の特定および対策法の確立を目指すと共に、さらなる安全性・有効性の確認を進めるために、平成25年度の研究成果は本麻酔法を用いた症例の蓄積である。除痛困難症例の存在は経験されるものの、これまでの研究から稀であることがわかっている。このため、多くの症例の中から除痛困難症例を抽出し、その背景因子を探ることは除痛困難症例の予測や対策法の確立に重要である。もう一つの研究成果は、麻酔中の無呼吸について非侵襲的に行うモニターを追加したことである。軽度の酸素飽和度の低下を一過性に認めることは本麻酔法において認められる有害事象の一つであるが、現在のところ重度の無呼吸状態に陥った症例は認めていない。また、平成26年度にはCTを用いた画像誘導小線源治療(Image-guided brachytherapy; IGBT)が導入される予定である。IGBTではアプリケーターを挿入した状態でMRIやCT等の撮像を行い、画像を用いて標的体積とリスク臓器を定義し,三次元治療計画や線量評価を行う。これにより予後の向上や晩期障害発症の低下が期待される一方、処置の長時間化、寝台移動に伴う苦痛の増大が懸念される。本麻酔法はIGBTにおいてこそ必要不可欠であると考えられるため、寝台移動時の安全確保についても検討を重ねる計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例数は予想以上に順調に増加してきている。そのため、解析に時間がかかっており、やや遅れていると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
除痛が不十分な症例の特定および対策法の確立を目指すと共に、さらなる安全性・有効性の確認を図る、遅れを認めているデータ解析を進める。
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