2014 Fiscal Year Annual Research Report
正常及び加齢・認知症におけるω-3系不飽和脂肪酸の生体内分子イメージングの検討
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25861077
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
稲木 杏吏 金沢大学, 医学系, 助教 (40645131)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 基礎的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
25年度における最初の研究課題として、成年相当ラットにおけるDocosahexaenoic acid(DHA)の血中半減期の測定を行った。AIN-93G純化食を投与下の8週齢WinstarラットにC-14標識1-[14C]-DHAを1回経口投与し、1時間後、3時間後、6時間後、24時間後、48時間後、72時間後に血中カウントを測定した。その結果、血中濃度は1時間後の56.77±4.58%(各時間においてn=5)をピークに漸減し、有効半減期(≒生物学的半減期)は18.03[hr]であった。さらに、各時間において屠殺し、脳(小脳を含む全脳)、肝におけるカウントを測定した。その結果、脳の最大取り込み率は0.029±0.004%、肝の最大取り込み率は3.80±0.24%であった。脳における半減期は139.7[hr]と非常に遅かった。 26年度においてはAIN-93G純化食を改良し、ω-3系脂肪酸を除去した特殊飼料を用い、同様の検討を行った。その結果、血中カウント、脳(全脳)カウント、肝カウントはいずれもコントロール群(通常飼料)と比較して有意に上昇した。本年度においては、同様の処置を行った特殊飼料群と通常飼料群においてオートラジオグラフィを行い、その脳における分布の比較を施行し、C-11標識1-[11C]-DHAを用いたPositron Emision Tomography(PET)によりin vivoイメージングを施行する予定であったが、当大学アイソトープ実験施設の耐震改修工事に加え、代替で実験を行っていた先端医薬薬学研究センター(石川県羽咋市)の実験施設の閉院が決定されたため、当初の目的を達成することが不可能となった。
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