2013 Fiscal Year Research-status Report
婦人科腫瘍のエストロゲン受容体ダイナミックPETと動態解析に関する研究
Project/Area Number |
25861079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
辻川 哲也 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 准教授 (30380033)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 婦人科腫瘍 / エストロゲン受容体 / PET / 動態解析 |
Research Abstract |
婦人科腫瘍におけるエストロゲンおよびエストロゲン受容体(ER)の体内動態を解析するため、ERイメージングPET薬剤である16α-[18F]fluoro-17β-estradiol(FES)を急速静注し50分間の骨盤部ダイナミックPET撮像を行った。初年度は、巨大子宮筋腫症例に対し連続動脈採血の代わりに腹部大動脈に関心領域を設定し入力関数を得た。1症例ごとに子宮筋腫 / 臀部の皮下脂肪 / 骨格筋にそれぞれ関心領域を設定し得られた時間放射能曲線に2-tissueコンパートメントモデルを当てはめ各速度定数(K1, k2, k3, k4)およびK1/k2, k3/k4, 分布容積VTを求めそれぞれを静態画像から得られるSUV値と比較した。 筋腫の集積は高く(SUV 3~5)、50分後でもまだ上昇していた。次いで皮下脂肪(~2.5) > 骨格筋 (~1.0)の順であった。各パラメータのうちSUVと有意な相関がみられたのはK1 (r=0.67, p<0.05), VT (r=0.68, p<0.05), そして最も相関が強かったのがk3/k4 = binding potential (BPND) (r=0.73, p<0.02)であった。このように婦人科FES PETで通常用いられるSUV値はbinding potentialと相関しエストロゲン受容体の結合能を評価するのに適していると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以前の研究では免疫染色などにより静態PET画像から得られるSUV値やその比がエストロゲン受容体の密度を反映することを報告してきたが、本年度のダイナミックPETを用いた動態解析によりSUV値はbinding potenitalという受容体結合能とも相関する可能性が示唆された。結果には比較的満足しており、おおむね順調と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度は腹部大動脈から入力関数を得られるような巨大子宮筋腫症例を対象としたが、今後は侵襲的ではあるが頻回動脈採血と代謝物補正による動脈入力関数を用いた解析が必要となってくる。ただし、動脈採血が侵襲的であるだけでなく、エストロゲン受容体が核内受容体であることや、脳のように血液脳関門が腫瘍にはないことから代謝物自体の集積も考慮に入れる必要もありるため、そのようなfull studyに持ち込んでもコンパートメントモデルで十分説明が可能かどううかなど前もって検討が必要である。もし頻回動脈採血が困難な場合の対策として、一点採血と標準入力関数の利用や、参照領域法を考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度と次年度の2年間の研究であり、次年度も薬剤合成や画像解析のための物品購入、学会発表、論文報告などに用いる予定である。 薬剤合成や画像解析のための物品購入、学会発表、論文報告などに用いる予定である。
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