2014 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科腫瘍のエストロゲン受容体ダイナミックPETと動態解析に関する研究
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25861079
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
辻川 哲也 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 准教授 (30380033)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エストロゲン受容体PET / ダイナミックPET / 動態解析 / 婦人科腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
総症例数は昨年度の5例から10例に増加した。巨大子宮筋腫症例に[18F]FESを急速静注し50分間の骨盤部ダイナミックPET撮像を行った。腹部大動脈から入力関数を得て、筋腫病変と大腰筋の時間放射能曲線から1-tissue/ 2-tissueコンパートメントモデル解析を行った。最適モデルの決定にはAkaike information criterion (AIC)とmodel selection criterion (MSC)を用いた。各速度定数(K1, k2; 1-tissue)(K1, k2, k3, k4; 2-tissue)、分布容積(VT)、Binding Potential(BP; k3/k4)を求め、60分後のSUV値との相関を求めた。 コンパートメントモデルの比較では、1-tissueが 平均AIC=54.4、MSC=1.16に対し2-tissueはAIC=10.8、MSC=3.26といずれも2-tissueが適しているという結果だった。このことから、FESは筋腫や大腰筋に到達したのち遊離または非特異的結合と特異的結合に分かれた状態で存在していることが示唆された。筋腫と大腰筋のSUV値と動的パラメータ(平均)は以下の通り。①筋腫 SUV=3.9, K1=0.65, k2=0.88, k3=0.12, k4=0.03, VT=4.29, BP (k3/k4)=5.67 ②大腰筋 SUV=0.8, K1=0.19, k2=0.71, k3=0.05, k4=0.07, VT=0.66, BP (k3/k4)=1.24 上記のうちVT とBPがSUV値と有意な正相関を示した。(それぞれr=0.83;P<0.0001とr=0.49;P=0.03) 以上よりエストロゲン依存性腫瘍においてPET動態解析が可能であること、およびこれまでに用いてきたSUV値の妥当性が証明された。
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Research Products
(1 results)