2013 Fiscal Year Research-status Report
3テスラMRIを用いた子宮筋腫の術前シミュレーションモデルの作成
Project/Area Number |
25861081
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
加藤 博基 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (70377670)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | MRI / 3テスラ / 子宮 / 筋腫 / 3D / 手術支援 / ナビゲーション / シミュレーションモデル |
Research Abstract |
本研究は,3T-MRIで撮像された子宮筋腫を有する子宮MRI画像を用いて3D画像を作成し,子宮筋腫の術式選択や手術支援ナビゲーションを目的とした術前シミュレーションモデルを構築することを目的としている.はじめに子宮筋腫の精査目的で3T-MRIが施行された症例において3D-T2強調TSE像(VISTA)を取得した.現在までに30症例以上の画像データを取得済みであるが,この中で初期に取得した4症例の画像データをサンプルデータとして3D画像の作成を試みた.子宮の周囲には,膀胱・腸管・卵巣などの臓器が隣接しており,子宮筋腫と子宮筋層の境界を認識することが容易でない場合があるため,全自動で輪郭を抽出することは難しい.このため,まず子宮と子宮筋腫を合わせた全体の領域,子宮筋腫の領域,子宮内膜の領域を用手的に輪郭抽出した(Manual Segmentation).この中で子宮内膜は強い高信号を示して認識が容易であるため,Medial Representationを用いた子宮内膜を半自動で抽出できるプログラムを作成中である.取得したボリュームデータを用いて3D画像を作成した.抽出した子宮筋層,子宮筋腫,子宮内膜の領域にそれぞれ色付けして視認性を高めたが,子宮筋層は透過性の高いスケルトン表示することで,その中に存在する子宮筋腫と子宮内膜の位置関係が明瞭となった.3D画像はさまざまな角度から評価できるため,開腹手術,腹腔鏡手術,子宮鏡手術などのさまざまな手術に対応した視野を想定して,術者のニーズに応える画像を提供することができると思われる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々は平成25年度中の達成目標に以下の2項目を設定していた. [1]画像データの取得(子宮筋腫術前の症例の骨盤部を3T-MRIで撮像して,3D画像を作成するためのボリュームデータと比較対象の2D画像の両者を取得する.) [2]画像データの処理(取得したボリュームデータを用いて3D画像を作成する.その際,正常の子宮筋層と子宮内膜,子宮筋腫を色分けして表示したり,手術中の視野に近い角度で表示したりする.また,子宮内膜と子宮筋腫の最短距離を自動的に計測,表示するプログラムを作成する予定である.) [1]の画像取得,[2]の3D表示は達成できており,「おおむね順調に進展している」と評価した.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は輪郭抽出の半自動化(抽出の時間短縮),3D画像の精度向上が最大の課題となる.子宮以外にも骨盤を形成する骨や筋肉も同時に表示することで,骨盤内における子宮の位置認識が容易となることが予測される.またモニター上に3D画像を表示するだけでなく,3Dプリンターを用いて立体モデルを作成することで,より術者に役立つ情報を提供できる可能性がある.一方,子宮内膜と子宮筋腫の最短距離を自動的に計測,表示するプログラムの作成には挑戦中である. 平成26年度中の達成目標である,[3]臨床的有用性の検討(3D画像を用いた術前シミュレーションモデルを子宮筋腫の術式選択や手術支援ナビゲーションを目的として利用した際の臨床的有用性を統計学的に立証する.)を最終目標として研究を進めていきたい.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度中に本研究の初期結果を学会で報告する予定であったが,平成25年度の年度末に3D画像を作成する段階に至ったため,平成25年度中に学会で報告ができなかった.このため学会発表に関わる旅費などは平成26年度に持ち越すことにした. まず平成26年度の前半に画像データの処理(3D画像の作成)について学会で報告する予定である.学会報告と平行して研究を進め,平成26年度の後半に臨床的有用性の検討について学会で報告する予定である.
|