2013 Fiscal Year Research-status Report
ウサギ肝腫瘍モデルにおける血管新生阻害薬と肝動脈塞栓術の併用による抗腫瘍効果
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25861084
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
友澤 裕樹 滋賀医科大学, 医学部, 医員 (90585689)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ソラフェニブ / 肝動脈塞栓 |
Research Abstract |
【目的】進行肝細胞癌に対してしばしばソラフェニブの経口投与が行われているが、十分な治療効果が得られているとはいえないのが現状である。今回我々は肝動脈塞栓術を併用することにより、ソラフェニブが比較的高濃度の状態で腫瘍内にとどまり、より強い血管新生阻害作用が期待できるのではないかと考え、ソラフェニブ経口投与に動脈塞栓を併用した場合の抗腫瘍効果、血管新生の阻害の程度について実験的検討を行った。 【方法】VX2腫瘍を肝左葉に移植した日本白色ウサギ20羽を無作為に5羽ずつの4群に分け,移植後2週間で実験に使用した。4群をソラフェニブ投与群、動脈塞栓群、ソラフェニブ投与+動脈塞栓併用群、無治療群に分けた。ソラフェニブの投与は経口的に胃管を挿入し20mg/dayで一週間投与した。肝動脈塞栓は、マイクロカテーテルを左肝動脈まで挿入し、ジェルパートをポンピングにより細かくしたものを逆流しないようにゆっくり注入した。治療前、治療7日後に造影CTを施行しそれぞれの治療群における腫瘍サイズを測定し腫瘍増大率の比較を行った。その後腫瘍を取り出しCD31免疫染色にて血管内皮細胞の染色を行い、顕微鏡での観察で視野あたりの陽性細胞数をカウントし血管新生の程度を比較した。 【結果】腫瘍増大率についてはソラフェニブ投与+動脈塞栓群<動脈塞栓群<ソラフェニブ投与群<無治療群となる傾向が見られた。血管新生の比較ではソラフェニブ投与+動脈塞栓群<動脈塞栓群<ソラフェニブ投与群<無治療群となる傾向が見られた。 【結論】ソラフェニブ経口投与に肝動脈塞栓を併用することによって、血管新生を阻害し、より強い抗腫瘍効果を発揮する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に予定していた実験計画は細かい統計処理を除いてほぼ終了しており、当研究は概ね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に施行した実験と同様の方法で、血管新生阻害薬と動脈塞栓の併用の効果を塞栓追加時期について検討する。VX2 肝腫瘍を移植されたウサギ20 羽をランダムに4 群(各群5 羽ずつA-D)に分類し、A:動脈塞栓+その後ソラフェニブ5mg 経口投与・1週間、B: ソラフェニブ5mg 経口投与・1週間+開始1日後動脈塞栓、C:ソラフェニブ5mg 経口投与・1 週間+開始3 日後動脈塞栓、D:ソラフェニブ5mg 経口投与・1 週間+終了後動脈塞栓の治療を行う。画像・病理学的評価により、腫瘍増殖率と血管増生変化率を求め、動脈塞栓併用の最適な時期について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会発表の時期が平成26年度にずれ込んだため、旅費として計上していた予算にあまりがでた。 平成26年度の予算と合わせて、物品の購入等にあてていく。
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