2014 Fiscal Year Research-status Report
食道静脈瘤発現の予測に対する非造影MR perfusion画像の有用性の検討
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25861086
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古田 昭寛 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60625911)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 左胃静脈 / 食道静脈瘤 / 非造影MRA |
Outline of Annual Research Achievements |
男女健常ボランティアにおいて研究を進めた。前年度に検討した至適なinvarsion時間を用いて、左胃静脈を選択的に描出できるようなTagパルスの設定を2パターン(方法A:1つ目のTagパルスを全腹部に、もうひとつのTagパルスを胃穹窿部から胃体上部にかけてに設定。方法B: 撮影範囲全体の信号をnonselective inversion recovery pulse で抑制し、それから噴門部を中心として軸位断面にTagを設定。)に絞って左胃静脈を描出の検討をさらに進めていった。さらには前年度、同様にMR撮影が行われた同一健常ボランティアに対してドップラーエコーの検査を行い、非造影MR左胃静脈画像との対比を行った。 その結果、①方法Aの方は全例で求肝性の左胃静脈が描出可能だった。方法Bは数例にて描出できなかった。エコーでも描出できない症例が数例存在した。②描出率は方法A>方法B>エコーとなった。③描出できた症例においてドップラーエコーと非造影MRAは相関が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2年目において、健常ボランティアで十分に検討できたことで、求肝性の左胃静脈の描出方法が確立できたと考えている。この方法を用いることで選択的に左胃静脈を描出することが可能となり、さらにその画像を用いるとPhase contrast法という実際の流速を測定するMRIの方法で左胃静脈の具体的な流速を測定できることを発見した。実際に左胃静脈の流速が測定できることは非常に有用であるため、その至適な撮影方法の模索しているところであり、そのために当初の予定より遅れ気味となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の3年目にあたる平成27年度はTagパルスを用いた非造影MRAを併用したphase contrast法で、実際の左胃静脈の流速を測定するための至適条件を決定し、またデータを集め、信頼性に足りるものなのかどうかを検討していく。次の段階として、同意を得られた未発達の門脈圧亢進症患者に対しての撮影を開始し、検討を重ねていく。
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Causes of Carryover |
当初、基礎動物実験を使った実験を行う予定だったが、予定していた交付金額から減額されたこともあり、基礎動物実験を使った実験を断念せざるを得なかったことに起因すると考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
非造影MR左胃静脈画像および左胃静脈へのphase contrast法の至適撮像条件の確立に必要な解析用のソフト・機器等を購入予定である。血流速度、血流方向、分枝血管の位置による血流動態をphasecontrast法でうまく捕らえられるかを検証するために使用するファントムモデルを作成するのに材料費等が必要である。成果が得られ始めているので、その結果を学会報告し、また学会などで情報収集するために、旅費にも研究費を使用する予定である。
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