2013 Fiscal Year Research-status Report
肺癌に対する化学療法の効果予測と判定の為の腫瘍血流イメージング法の確立
Project/Area Number |
25861092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梁川 雅弘 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00546872)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Radioactive water PET / Bevacizumab / VEGF / tumor perfusion |
Research Abstract |
本研究は、CTおよびH215O-PET/CT(水PET/CT)を用いて、腫瘍血流を定量解析することでBevacizumab (Avastin®)をはじめとする化学療法に対する治療有効性の予測および治療効果判定法を検証し、血流イメージング法を確立することである。 1.画像データの収集: 当施設における非小細胞肺癌の化学療法前(Bevacizumab使用群、非使用群)の患者を対象とし、化学療法の前後において、水PET/CTとperfusion CTの撮像を行うことを目指したが、対象患者は進行肺癌患者が主体であることや近年の被曝増加を懸念する点などから、同時に両方の検査の承諾を得て検査を施行することが難しいのが現状であった。また、化学療法のスケジュール、および水PET/CTの為の薬剤である放射性薬剤H215Oの合成スケジュールを合致させる難しさもあり、現時点では10症例(Bevacizumab使用群8例、非使用群2例)を、主に水PET/CTを中心に検査を行うことにとどまった(うちperfusion CTも行えた患者は1例のみ)。本研究で、重要視している水PET/CTの検査タイミングであるが、予定通り化学療法開始前1-7日前、化学療法後1-3日後に施行できている。また、撮像法に関しても、研究実施計画書に記載した通りの方法を実施できている。 2.採血と血清VEGF測定: PET/CT検査前に放射性薬剤H215Oを注入するルートより事前に5mlの静脈血を採取した。研究実施計画書では、末梢循環血液中VEGFはその大半が血小板由来であるため、画像検査前に採血した血液の凝固反応完了を待ってからその血清を測定する、としたが、念のため、血漿および血清の両方の測定を行っている。ただ、臨床業務の都合上、専用測定ELISAキットを用いた測定に時間を割くことが難しくなってきたため、SRLに外注検査を出すことで、測定進行中である。 3.腫瘍血液灌流量の評価方法: 水PET/CT施行後に、症例毎に腫瘍血液灌流量を測定し、エクセルデータとして保存中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
画像データの収集であるが、従来は水PET/CTとperfusion CTの同時撮像を行うことを目指したが、対象患者は進行肺癌患者が主体であることや近年の被曝増加を懸念する点などから、同時に両方の検査の承諾を得ることが難しいのが現状である。また、化学療法のスケジュール、および水PET/CTの為の薬剤である放射性薬剤H215Oの合成スケジュールを合致させる難しさもあり、現時点では10症例(Bevacizumab使用群8例、非使用群2例)を、主に水PET/CTを中心に検査を行っている。perfusion CTがほとんど施行出来ていない点、Bevacizumab非使用群の症例数確保がやや遅れ気味ではあるが、患者の承諾あっての臨床研究であるため、今後は可能な限り、実施可能な検査を進めて行く予定である。現在実施済みの検査においては、腫瘍血液灌流量測定もできている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)非小細胞肺癌の化学療法前(Bevacizumab使用群、非使用群)の患者を対象に、化学療法前・後において、水PET/CTとperfusion CTの撮像を行いたいが、すでに記載したように、水PET/CTとperfusion CTの検査を同時に施行する患者承諾を得にくいため、水PET/CT を中心に(可能な場合はperfusion CTも追加する)、Bevacizumab使用群、非使用群の各群において更なる症例蓄積を目標とする。尚、検査前に血漿・血清VEGF値を測定の為の採血を行う。 2)現在すでに得られている水PET/CTデータを用いて持続動脈採血からの血中放射能濃度を実測入力関数とした血流マップとPET画像上の大動脈に設定した関心領域からの非侵襲的入力関数を用いた血流マップを作成し、両者を比較・検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の半年間において、自身の海外留学が重なったため、主として平成25年度分の国内および外国旅費として計上していた400,000円相当の金額を使用することができなかった。 今年度は、本研究の発表や新しい知見を得るためにも、積極的に海外学会にも参加する予定である。また、血漿・血清VEGF値の測定をELISAキットを用いた測定から、SRLへの外注検査へと変更したため、物品費として計上していたELISAキットやその他器具の購入費を削減できるが、かわりに外注費用として1症例当たり約3万円程度を要する。
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Research Products
(3 results)