2013 Fiscal Year Research-status Report
最新の核医学的手法を用いた放射性ヨウ素およびセシウムによる被曝線量等の検討
Project/Area Number |
25861094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金井 泰和 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座助教 (60397643)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射性ヨウ素 / 体内動態 / 核医学 |
Research Abstract |
本年度(H25年度)は、マウスを用いて放射性ヨウ素の体内動態についての基礎的な検討を行った。当初の計画では放射性ヨウ素として、ヨウ素の124を用いて行う予定であったが、製造が困難であったこととPET-MRI装置が使用できなかったことから、ヨウ素125を用いて、γカメラによる撮像を行った。 本研究では、核医学的な手法としてPETカメラやγカメラを使用して放射性ヨウ素およびセシウムの体内動態を詳細に検討し、被曝量や放射線防護の効果を検討する予定であるが、本年度はその基礎的な部分として、マウスに放射性ヨウ素(ヨウ素125)を投与し、経時的な生体内での分布について観察した。投与方法については、通常の薬剤を投与する方法である静脈内への投与(尾静脈)と、一般的な放射能汚染時に想定される口腔を経た経口投与について検討し、比較した。 まず、尾静脈投与については、投与後、1時間、3時間、6時間、12時間、18時間および24時間の生体内での分布を観察した。ヨウ素の高集積部位として知られている甲状腺においては投与の1時間後では投与量の約3 %が集積し、その後時間経過とともに上昇し、6時間後にその値は約20 %になり、18時間後までほぼ同様の値であった。24時間後には、やや低下していた。 経口投与においても、体内動態の時間変化はほぼ同様の結果であったが、その集積量は、尾静脈投与よりも少ない値であり、集積量のピークはおおよそ投与量の15 %程度あった。 また、γカメラによるイメージングも尾静脈投与、経口投与の両方で終了しており、現在、解析の作業中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
放射性ヨウ素として、当初はヨウ素124を予定していたが、前述に理由からヨウ素125に変更しているが、PET-MRI装置の代わりにγカメラを使用しており、定量も可能であることから、目的の達成は十分に可能である。 また、計画では非放射性ヨウ素の投与による防護効果の検討も予定していたが、まだ実行できていないが、放射性ヨウ素の体内動態の検討の方法については、本年度確立しており、来年度の早い時期に実施が可能であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、非放射性ヨウ素の投与による、防護効果を確認し、当初の計画にある通り、放射性セシウムの動態の検討を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初は放射性ヨウ素としてヨウ素124を使用する予定であったが、これをヨウ素125に変更したため、ヨウ素124製造のための試薬を購入しなかったため。 次年度の実験の消耗品等の購入に使用する。
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