2014 Fiscal Year Research-status Report
機能画像における3次元的呼吸運動評価法の開発と臨床応用
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25861100
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
神山 久信 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (30546487)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 呼吸運動 / CT / 慢性閉塞性肺疾患 / 肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、主に平成25年度に行った慢性閉塞性肺疾患における3次元的な運動解析の研究に対し、新たな解析を加え、新たな3次元的な呼吸運動解析の有用性に対する検討を行った。その結果、新たに以下の結果が得られた。① 慢性閉塞性肺疾患の重要なパラメーターである1秒量に対して、重回帰分析において、肺野の気腫性変化を除いた機能的肺容量とともにY軸方向の運動は独立したパラメーターであった。②3次元的な呼吸運動パラメーターを用いた場合、従来用いられてきた肺野の気腫性変化を除いた機能的肺容量や慢性閉塞性肺疾患で生じるair trapの割合などよりも、慢性閉塞性肺疾患の臨床分類との対応が良好であった。これらの結果からは、3次元的な呼吸運動評価は慢性閉塞性肺疾患の重症度評価に対して有用であるという結論に至った。この研究成果は学術雑誌へ投稿するとともに、平成27年度に行われる北米放射線学会での発表を予定している。 また、平行して手術後肺においての解析も行った。手術後肺において3次元的な呼吸運動評価を行うとともに、肺機能に影響を与えると思われるCT画像より手術側肺容積、術側肺容積、気腫性変化を除いた機能的肺容量、肺野の間質影の広がりを求め、呼吸機能検査との対比を行った。これにより以下の結果が得られた。① 呼吸運動評価は1秒率や努力性肺活量、肺活量などと有意な相関が見られた。② 重回帰分析において、呼吸運動評価はこれらの呼吸機能検査におけるパラメーターの独立した因子であった。これらの結果からは、術後肺の評価においても、3次元的呼吸運動評価の有用性が示唆された。この研究成果は平成27年3月に行われた欧州放射線学会で学術発表を行った。また現在、学術雑誌へ投稿への準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
達成度としてはおおむね順調に進展している状態と考えている。慢性閉塞性肺疾患においては現在学術論文を投稿中であり、一定の成果は得られているが、症例解析数が少ない状態であるので、平成27年度においても引き続き症例の蓄積を行って行く予定である。 術後肺における呼吸運動評価に関しては、国際学会での発表などを行うなど、一定の成果は得られている。現在、学術論文を作成している段階である。 その他、新たな画像解析方法の開発も行っているとともに、症状や異なる体位での呼吸機能検査結果の蓄積なども行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、平成25、26年度において研究を進め、成果発表を行った慢性閉塞性肺疾患に対して論文発表を進めていく。 また、平成26年度において解析、研究発表を行った肺術後患者における3次元的な呼吸運動評価においても、研究成果をまとめ、学術論文として発表していきたいと考えている。 その他、新たな画像解析方法の開発に対する解析、症例蓄積を行っている症状や異なる体位での呼吸機能検査結果などを元にした3次元的呼吸運動評価解析を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
新たな画像解析手法を進めるために当初は物品費を計上していたが、現在は当初より用いている解析用コンピューターにて画像解析を進めたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新たな画像解析法の開発に対して、当初のコンピューターでは効率性が悪くなってきたため、予定通り開発用のコンピューターを購入する予定である。
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Research Products
(2 results)