2013 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリア機能不全は放射線誘発遅延性神経細胞死に関与するか?
Project/Area Number |
25861113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
小橋川 新子 (菓子野 新子) 大分大学, 医学部, 研究支援者 (70637628)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ガンマ線 / ミトコンドリア形態 / 神経変性 / 活性酸素種 / 細胞死 |
Research Abstract |
現在までに正常ヒト線維芽細胞においてミトコンドリア形態変化を抑制することにより放射線抵抗性になることを確認している。また放射線照射後、遅延的に増加するミトコンドリアからの活性酸素種を抗酸化剤により抑制することにより放射線による細胞死を抑制することも確認した。このことから遅延的なミトコンドリア形態変化およびそれに伴うミトコンドリア由来活性酸素種の増加により細胞死が引き起こされていることがわかった。次に放射線によりどのようにしてミトコンドリア形態変化を引き起こすDrp1タンパク質が活性化するのか調べるために、照射後のDrp1タンパク質のリン酸化について調べた。その結果、Drp1セリン637のリン酸化が放射線照射後に減少していることがわかった。Drp1セリン637のリン酸化はPKAタンパク質によりリン酸化されることにより不活性化され、カルシニューリンにより脱リン酸化されることが報告されている。また放射線照射により細胞内カルシウム濃度が高くなることも報告されていることから、照射によりカルシニューリンが活性化し、Drp1セリン637を脱リン酸化している可能性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年4月から平成25年12月までの期間、産休および育児休業を取得しており、その間に予定しておりました研究が進みませんでした。具体的には神経細胞の培養、放射線による神経細胞の変性について調べる予定が遅れている現状です。
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Strategy for Future Research Activity |
ラット神経細胞を培養し、放射線による神経変性が生じるか、また合わせてミトコンドリア形態変化についても調べる。また照射後のDrp1タンパク質の活性化機構についても明らかにしたい。これまでの結果より、照射後のカルシウム濃度の変化、カルシニューリンの活性化について交付申請書に記載した通りに進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年4月から平成25年12月までの期間を産休および育児休業で休職しており、申請書に記載しておりました研究計画通りに進まなかったため、次年度使用額が生じました。 次年度は物品費(2300000円)、旅費(100000円)、その他(200000円)を使用計画しております。
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Research Products
(1 results)