2014 Fiscal Year Research-status Report
7テスラ高解像度3次元拡散イメージングによるアルツハイマー病の超早期診断法の確立
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25861119
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 賢司 岩手医科大学, 医学部, 助教 (80646852)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 拡散MRI / 認知症 / 軽度認知障害 / アルツハイマー病 / パーキンソン症候群 / 海馬傍回帯状束 / 後部帯状束 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、7テスラ高解像度拡散MRイメージング法を確立し、早期認知症患者を縦断的に検討することで、認知症を超早期に高精度かつ無侵襲に検出・評価する技術基盤の確立が目的である。昨年度は、3テスラ高解像度拡散テンソル画像の解析により、ADに移行するMCI患者の海馬傍回帯状束の微細な変化を検出することができ、早期診断に対して有用であることを確認した。本年度は、7テスラ高解像度拡散イメージングの確立を行っている。また並行して、PDでは認知症を合わせ持つ疾患があり、早期鑑別診断が十分確立していないパーキンソニズムを呈する運動失調症を対象に、3テスラ拡散尖度画像(DKI)を用いて基底核・脳幹・小脳の微細構造変化の検出および鑑別診断の可能性について検討した。発症早期のPD, MSA, PSPを対象に、DKIの元画像を撮像し、独自に開発したソフトウェアを用いて、平均拡散尖度(MK), 拡散異方性(FA), 平均拡散能(MD)マップを算出した。早期PD群に比し、MSA-C群では橋横走線維・中小脳脚のMK値など、PSP群では深部灰白質・中脳被蓋・上小脳脚・小脳など広範囲に有意差を認めた。また、従来のMR parkinsonism index (MRPI)に対応する新たな定量指標としてDKIを用いたdiffusion MRPI (dMRPI)を考案し、早期診断基準としての可能性を検証した。dMRPI-MK値のみが、早期PD, MSA, PSP間の全てにおいて有意差を認め、かつ高い感度・特異度(80%以上)を示した。DKI定量解析によって、発症早期の運動失調症における脳幹や小脳脚の軽微な変化を検出することができ、中でもdMRPI-MKは早期PD, MSA, PSPを従来の定量指標に比し高い感度・特異度で識別できることから、早期診断基準の一つとして有望であると示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
画像解析法は確立し、その成果を上げたが、7テスラ高解像度拡散MRイメージング法はハードウェアに依存するものが多く、その導入までに時間を要している。一方、並行して進めてきた撮像シーケンスプログラムの開発環境整備が終了したため、今年度は撮像シーケンスの開発も同時に進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
局所励起・多断面励起・高次周波数空間パラレルイメージング・Adiabatic pulseなどの技術を組み合わせることで、7テスラ超高解像度等方性ボクセルを実現し、従来法と画質等を比較検討する。また早期MCI患者と高齢健常者を前方視的にリクルートし、ベースラインを撮像する予定である。
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Causes of Carryover |
学術論文掲載料等の請求書到着に時間を要しており、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学術論文掲載料等の請求書が到着次第、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Assessment of Sensations Experienced by Subjects during MR Imaging Examination at 7T2015
Author(s)
Uwano I, Metoki T, Sendai F, Yoshida R, Kudo K, Yamashita F, Higuchi S, Ito K, Harada T, Goodwin J, Ogawa A, Sasaki M
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Journal Title
Magn Reson Med Sci
Volume: 14(1)
Pages: 35-41
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Evaluating middle cerebral artery atherosclerotic lesions in acute ischemic stroke using magnetic resonance T1-weighted 3-dimensional vessel wall imaging2014
Author(s)
Natori T, Sasaki M, Miyoshi M, Ohba H, Katsura N, Yamaguchi M, Narumi S, Kabasawa H, Kudo K, Ito K, Terayama Y
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Journal Title
J Stroke Cerebrovasc Dis
Volume: 23(4)
Pages: 706-711
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 拡散尖度画像と定量的磁化率画像を用いたパーキンソン症候群の早期鑑別診断2014
Author(s)
伊藤賢司, 佐々木真理, 大塚千久美, 横沢俊, 佐藤良太, 尾藤良孝, 原田太以佑, 上野育子, 山下典生, 樋口さとみ, Jonathan Goodwin, 寺山靖夫
Organizer
第42回日本磁気共鳴医学会大会
Place of Presentation
京都
Year and Date
2014-09-18 – 2014-09-20
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