2014 Fiscal Year Research-status Report
高分解能および高感度を実現するHybridSPECT画像再構成法に関する研究
Project/Area Number |
25861131
|
Research Institution | Kyoto College of Medical Science |
Principal Investigator |
松本 圭一 京都医療科学大学, 公私立大学の部局等, 講師 (60393344)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | SPECT / 画像再構成 / 反復法 / 緩和係数 / 二検出器型ガンマカメラ装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
核医学検査における単光子放射断層撮影(SPECT)は、放射性医薬品を投与された被検者から放出される光子を体外計測して体内放射能分布を画像化する。一般臨床検査におけるSPECTの目的は、脳血管障害や虚血性心疾患の診断であるが、近年では認知症の早期診断や治療薬開発におけるバイオマーカの画像化としても世界的に着目されている。 しかしながら、SPECTは測定原理上、量子雑音が多く、他の医用画像と比較して空間分解能が劣るため、短時間で高い空間分解能を有する手法の研究開発が極めて重要である。 本研究では、特別なハードウェアを用いずに良質な画像を作成できるHybrid SPECT画像再構成法を研究開発している。本研究は、①補間投影データ法の最適化および汎用型二検出器ガンマカメラ装置における年間感動変動の調査、②投影データごとに動的に緩和係数が変化する逐次近似画像再構成法の開発、③ファントムを用いた汎用型二検出器型ガンマカメラ装置での検証、から構成される。平成26年度は「動的に緩和係数が変化する逐次近似画像再構成法の開発」について研究を遂行した。 前年度の研究実績から実測する投影データ数が少ない(サンプリング角度が大きい)ほど補間投影データの推定精度が低下してしまうが、この欠点を補う目的で導入する動的緩和係数を投影データごとに最適化することで良質な再構成画像を作成可能であると示唆された。知識提供者に今年度の研究実績(シミュレーションの検討)を報告し、実機での検証に向けた助言をいただいた。また、昨年度から継続調査している汎用型二検出器型ガンマカメラ装置の感度は、気温に依存し、気温が低くなる冬場ほど高感度になる傾向が今年度も認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)動的緩和係数の最適化については、計算機シミュレーションによる数値ファントムで検討が終了しており、最終年度に研究計画した実機での検証に向けて順調に研究が進展している。 (2)本研究課題であるHybrid SPECT画像再構成法の有効性を評価する画質評価法の情報収集や本研究に関係する各種手法(感度測定法、補間方法および画像再構成法など)も着実に進んでいる。 (3)汎用型二検出器型ガンマカメラ装置における年間感度変動を昨年度と同様に月に一回の頻度で測定しており、おおむね順調に年間の感度変動調査が進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)汎用型二検出器型ガンマカメラ装置における年間感度変動を継続して検討する。 (2)本研究に関係する各種手法(感度測定法、補間方法および画像再構成法など)の研究動向を情報収集する。 (3)高精度Hybrid SPECT画像再構成法の臨床応用を想定して、脳ファントムを用いた実機(汎用型二検出器型ガンマカメラ装置)での検討を進める。
|