2014 Fiscal Year Annual Research Report
外部放射線照射との相乗効果に基づくがん治療を目的とした内用放射線治療薬剤の開発
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25861133
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
萩森 政頼 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (40446125)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射線 / がん / NQO1 / がん内用放射線治療薬剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、外部放射線治療との相乗効果を狙った治療応用への展開を可能にする新たながん内用放射線治療薬剤の開発をすることである。本研究では、肝がんや結腸がん等の多くの固形がんで高い発現が見られ、放射線により比較的短時間で誘導されるNAD(P)H:quinone oxidoredactase 1(NQO1)に着目し、その放射性ヨウ素標識誘導体の開発を計画した。これまでにNQO1のmechanism-based inhibitorであるES936の誘導体の検討からNQO1が内用放射線療法の新たな標的となることを明らかにしているが、ヨウ素の電子求引性によりp-ヨードフェノールが脱離し易く代謝安定性が悪いことが問題であった。そこで、電子供与基としてメトキシ基を導入することによりp-ヨードフェノールの脱離を抑えた誘導体を設計し、前年度において非標識体および標識前駆体を合成した。 本年度では、まず標識前駆体を用いた放射性ヨウ素標識を行った。反応条件を検討した結果、室温において、酸化剤としてN-クロロスクシンイミドを用いることにより放射化学的収率50%、放射化学的純度98%以上で放射性ヨウ素標識体を得ることができた。NQO1高発現細胞HT-29溶解液を用いて安定性を評価した結果、メトキシ基を導入していない誘導体に比べてメトキシ基を導入した誘導体は高い安定性を示した。以上の結果は、メトキシ基の導入により代謝安定性の向上した放射性ヨウ素標識体が新たながん内用放射線治療薬剤としての可能性を示すものであり、また、NQO1を標的とした薬剤設計において有効な情報を提供するものであると考えられる。
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Research Products
(3 results)