2014 Fiscal Year Research-status Report
アミノレブリン酸治療効果を予測する新規高感度画像診断プローブの開発
Project/Area Number |
25861136
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
鈴木 千恵 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 准研究員 (20637285)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 核医学 / PET / アミノレブリン酸 / 炭素-11 |
Outline of Annual Research Achievements |
[6-11C]5-amino-4-oxo hexanoic acid ([C-11] MALA) のin vivoにおける体内動態および腫瘍集積を検討した。4種のヒト腫瘍由来細胞株 (AsPC-1, U-87-MG, BxPC-3, MIA PaCa-2) の皮下腫瘍モデルマウスに[C-11] MALAを尾静脈より投与したところ、血液中から速やかに消失し、腫瘍に集積した。投与1分後における[C-11] MALAの腫瘍集積は、[H-3]アミノレブリン酸の投与早期における腫瘍集積と相関し、[C-11] MALAの腫瘍への初期取り込みはアミノレブリン酸の取り込み量を反映すると考えられた。[C-11] MALAの投与後期にこける腫瘍からの消失速度は、アミノレブリン酸デヒドラターゼの発現が高い腫瘍において遅く、[C-11] MALAはアミノレブリン酸デヒドラターゼ発現量依存的に腫瘍に滞留した。[C-11] MALAの投与60分後における腫瘍集積量は、アミノレブリン酸投与時のプロトポルフィリンIX蓄積量と相関した。これらの結果は、[C-11] MALAの腫瘍取り込みが、アミノレブリン酸の腫瘍への取り込みおよび腫瘍内におけるアミノレブリン酸デヒドラターゼによる代謝を反映することで、アミノレブリン酸投与時のプロトポルフィリンIX蓄積量を予測できる可能性を示す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
[C-11]MALAのin vivoにおける体内動態および腫瘍集積を検討し、[C-11]MALAを用いたPETにより、アミノレブリン酸投与時の腫瘍におけるプロトポルフィリンIX蓄積量を評価出来る可能性を認めた。[C-11]MALAの腫瘍集積機序を裏付ける実験にも着手しており、研究は順調に進行していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
[C-11]MALAの腫瘍集積機序のさらなる推定を行う。[C-11]MALAの腫瘍滞留機序であると推定されるアミノレブリン酸デヒドラターゼとの結合は可逆的であり、検出が難しいことが予想されるため、[C-11]MALAのin vivoにおける化学形の分析や阻害実験など複数の手法を用いてその証明を目指す。
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Causes of Carryover |
平成26年度に実施した腫瘍モデルマウスを用いた評価において、[C-11]MALAの取り込み量およびPpIXの蓄積量に偏りが生じ、より詳細な評価を行うためには、多様な腫瘍モデルの使用が求められた。同様の結果は平成25年度に実施した培養細胞を用いた検討においても認められ、in vitroにおける細胞株の検討は順調に進行しているが、in vivo実験に用いる腫瘍モデルマウスに時間がかかっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度に異なる腫瘍モデル作成を試みる。
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