2014 Fiscal Year Research-status Report
時計遺伝子発現を基盤とした腫瘍血管新生阻害薬によるヒト乳癌の増殖抑制
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25861148
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
諸橋 聡子 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90569592)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 乳癌 / 時計遺伝子 / 治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
時計遺伝子(Clock genes)は, およそ24時間周期で振幅発現する遺伝子であり、その機能により、24時間の周期を示す生物の活動制御されている。時計遺伝子DEC1およびDEC2は、Basic-helix-loop-helix (bHLH) 型転写因子であり、時計中枢である視交叉上核のみならず、全身の組織および細胞で、概日リズムを形成している。また、免疫応答系やさまざまな組織分化の制御、癌化や低酸素応答、アポトーシス制御など、生体内における多彩な制御機能をっている我々は、時計遺伝子発現が、ヒト乳癌細胞株に及ぼす影響を検討した。 我々は、低酸素条件で、ヒト乳癌細胞株MCF-7を培養し、時計遺伝子であるDEC1が低酸素処理後2時間で強発現し、さらに時計遺伝子DEC2が低酸素処理後24時間で強発現を示すことを明らかにした。さらに、低酸素誘導後2時間で、Hypoxia inducible factor-1α(HIF-1α)が強発現し, 低酸素誘導後24時間で、HIF-2αが強発現を示すことも明らかにした。 ヒト乳癌細胞株MCF-7で、HIF-2αをノックダウンすると PI3K/Akt シグナリングを介するリン酸化が抑制され、c-MycおよびDEC2も抑制されることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト乳癌細胞株を低酸素条件下で培養することにより、ヒト乳癌細胞株における時計遺伝子の意義を一部明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト乳癌に焦点を絞り、細胞レベルで時計遺伝子の役割を明らかにする。 (1)ヒト乳癌細胞に概日リズムを誘導し、VEGFと時計遺伝子DEC1, DEC2の発現を解析し、乳癌の増殖・浸潤に関わる日内リズムの分子機構を解析する。 (2)時計遺伝子高発現細胞・時計遺伝子ノックダウン細胞を用いて、時計遺伝子発現を基盤とした乳癌の増殖・浸潤およびVEGFの発現調節を解析する。 (3)時計遺伝子の発現抑制がVEGF阻害剤(ベバシズマブ)の感受性に及ぼす影響を解析する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Fatty acid synthase-positive hepatocytes and subsequent steatosis in rat livers by irinotecan.2015
Author(s)
Sawano T, Shimizu T, Yamada T, Nanashima N, Miura T, Morohashi S, Kudo D, Hui FM, Kijima H, Hakamada K, Tsuchida S
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Journal Title
Oncol Rep
Volume: 33
Pages: 2151-2160
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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