2013 Fiscal Year Research-status Report
抗HER2抗体エピトープペプチドワクチンのヒト化マウスを用いた有効性の検討
Project/Area Number |
25861165
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
津田 万里 東海大学, 医学部, 助教 (30514533)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 乳癌 / ペプチドワクチン / 免疫不全マウス |
Research Abstract |
申請者らは、乳癌患者に汎用性のHER2/neuペプチドCH401MAPの有効性をマウスおよびin vitroについて報告してきたが、本ペプチドは抗体産生も誘導する可能性が高く、その副作用を評価する動物モデルが必要である。そこで本研究では、乳癌患者末梢血単核球をhIL4TgNOGマウスに移植し新たなヒト免疫系再構築マウスを確立し、抗体産生に関連する患者免疫反応の解析を可能にすることを目的とした。 乳癌手術当日の朝に患者採血を行い、手術標本摘出時に癌組織部分を一部切離した。患者血液は一部をHLA解析に使用し、残りは比重遠心分離し、単核球層を抽出する。以下の2つの実験を並行して行った。①5X105ずつin vitroでCH401MAPペプチドの有無で刺激し、サイトカイン産生、特異抗体産生、リンパ球増殖反応、フローサイトメトリーの解析を行った。②5x105ずつhIL-4TgNOGに経静脈的に移植する。背部皮下に癌細胞を移植した。マウスをCH401MAPペプチド刺激の有無で分ける。移植後2週目に腫瘍径を測定し、採血を行う。リンパ球の生着を確認し、サイトカイン・自己抗体の産生を解析した。移植後4週目にsacrificeし、腫瘍径・重量の測定、サイトカイン・特異抗体の測定を行った。①②の結果を統合して解析し、CH401MAPペプチドの抗腫瘍効果を確認し、また、hIL-4TgNOGマウスの前臨床モデル動物としての有用性を評価している。 現在乳癌患者3名から採血、腫瘍の一部を取得しhIL4Tg NOGマウスに移植したところ、ヒトサイトカインの産生とanti CH401MAP抗体の産生は確認できたが腫瘍自体が消失してしまい、抗腫瘍効果の確認が出来なかった。そのため一旦ヒト乳癌セルラインSKBR3を同マウスへ移植したがやはり生着できず、マトリゲルを用いても生着が困難であった。現在は腫瘍の生着をまずは試みている。 並行して健常コントロールより8例のPBMCを採取しており、対象のサンプル、データをそろえているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腫瘍の生着が確認できないため。また、マウスは実験動物中央研究所より提供され、当施設で交配を行ってきていたが、hIL4の産生が落ちていたことが確認され、再度同研究所よりマウスの提供を受けて実験を行っている。予想していたよりもhIL4の発現が早く落ちること、一度提供の依頼をしてから実際にマウスが届いて実験が開始できるようになるまで約2ヶ月かかったこと、週令8週に合わせて移植を行いたいがちょうどその時期に当研究に適した患者のサンプルが得られるとは限らなかったことがあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
セルラインを用いてhIL4TG NOGマウスに腫瘍を生着させる。マトリゲルを用いるもの、用いないものに分類する、また、移植細胞数も数グループに分類してより生着が確実に行える細胞数を検討する。 並行して患者検体を用いて現在確認が出来るサイトカイン産生および特異抗体の測定を続ける。患者検体も今まではコラゲナーゼ処理をして移植していたが、むしろブロックで周りの正常組織も含めた状態での移植を試みる。セルラインでの腫瘍生着を確認し次第患者がん細胞の移植にスライドしてより確実にまずは患者がん組織をマウスに生着させることを試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
腫瘍のhIL4TgNOGマウスへの腫瘍の生着、CH401MAPの抗腫瘍効果の解析を引き続き行ってゆくため。 ヒト乳癌セルライン、hIL4TgNOGマウス、各種抗体、消耗品の購入および設備使用料に必要となるため。
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Research Products
(3 results)