2015 Fiscal Year Annual Research Report
CGRPを介した全く新しい機序の緩下剤開発に向けての基礎的検討
Project/Area Number |
25861170
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長尾 宗紀 東北大学, 大学病院, 助教 (60451564)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | GMC / CGRP / 排便 |
Outline of Annual Research Achievements |
イヌにおけるCGRP静脈内投与の結腸運動と排便に対する効果とその機序を検討するため、ビーグル犬を開腹し回盲部1箇所、結腸3箇所に消化管運動測定用のトランスデューサーを縫着した。術後回復期間として14日経過した後、CGRPを0.01, 0.02, 0.04mg/bodyで、また、placebo controlとして生理食塩水をそれぞれ経静脈的に投与し、結腸運動を測定した。また、各種拮抗薬 (atropine, hexamethonium, ondansetron)の存在下にCGRP 0.04mgを投与し、結腸運動を測定した。 CGRPの各濃度においてGMCs(giant migrating contractions)の誘発が確認され、濃度依存性にGMCsの頻度(frequency)は増加した。排便についてはCGRP投与後25~63%の頻度で出現したが、排便誘発回数については明らかな濃度依存性は確認されなかった。atropineとhexamethonium併用下ではCGRPによるGMCsは誘発されなかったが、ondansetron併用下ではCGRPによるGMCsは誘発された。 以上より、CGRPの経静脈的投与がGMCsを誘発することが確認され、排便を誘発する可能性が示唆された。その機序としては、CGRPの結腸運動誘発効果がatropine、hexamethoniumにて抑制されたことから、コリン作動性神経を介して起こっている可能性が示唆された。この機序がさらに明らかになれば、結腸に対しより選択的に作用する薬剤の開発につながり、より副作用が少なく、かつ経静脈的投与が可能な下剤の開発につながる可能性があるものと思われた。
|