2014 Fiscal Year Annual Research Report
大腸上皮特異的複合遺伝子改変マウスモデルを用いた大腸癌転移関連遺伝子の探索
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25861190
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
下村 学 広島大学, 大学病院, 医科診療医 (60457249)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は大腸上皮特異的にApcがノックアウトされる大腸癌マウスモデル'CDX2P-G19Cre;Apcflox/flox mice' (以下,Apc KO mice)を報告してきた.今回,Tgfbr2flox/flox miceとApcflox/flox miceとCDX2P9.5-G19Cre mice を交配し, 最終的にApc とTgfbr2 が大腸上皮特異的にノックアウトされる'CDX2PG19Cre;Apcflox/flox;Tgfbr2flox/flox mice' (以下,Apc+Tgfbr2 KO mice)を作製した.このマウスモデルでは近位大腸に高分化腺癌が形成されたが,ほとんどが4週齢までに腫瘍出血死した.そこで3週齢でマウスの全大腸を摘出し形成された腫瘍を観察し回収した.レーザーマイクロダイセクション法で抽出した癌組織のtotal RNAを用い,Apc KO mice腫瘍(n=3)とApc+Tgfbr2 KO mice腫瘍(n=3)の遺伝子発現を網羅的に解析したところ,Tgfbr2 KOに伴い9.25倍に発現上昇していた遺伝子Xを同定した(p=0.045).免疫組織化学的染色でXの発現を評価し,全体の癌組織に占める免疫染色される癌細胞の割合が30%以上を陽性と判定した.TGFBR2変異ヒト大腸癌症例11例中11例(100%)がX発現陽性であったのに対して,マイクロサテライト安定大腸癌症例15例中10例(66.7%)がX発現陽性であり(p=0.033),ヒト大腸癌サンプルにおいてXの高発現はTGFBR2変異と相関しているということが示唆された.さらに,in vitroにて大腸癌細胞株でXをノックダウンすると細胞増殖能は有意に低下し,逆にXを強制発現すると細胞増殖能は有意に上昇した.以上の結果から大腸上皮特異的にApcとTgfbr2をノックダウンして近位大腸で高分化腺癌を形成するin vivoマウスモデルを作製,解析し,遺伝子XがTGF-βシグナルに制御され,大腸癌において細胞増殖を亢進していることが示唆された.
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[Presentation] The generation of colorectal cancer mouse model based on microsatellite instability and the identification of transforming2015
Author(s)
Miguchi M, Hinoi T, Shimomura M, Tomohiro Adachi, Yasufumi Saito, Hiroaki Niitsu, Masatoshi Kochi, Yusuke Sotomaru, Hideaki Ijichi, Tsuneo Ikenoue, Kunitoshi Shigeyasu,Kohji Tanakaya, Kazuhiro Sentani, Naohide Oue, Wataru Yasui, Hideki Ohdan
Organizer
AACR annual meeting 2015
Place of Presentation
フィラデルフィア (USA)
Year and Date
2015-04-18